[国際ロボット展 特別リポートvol.20]自律して動くロボットが主役／安川電機
仮想空間で試して現実に反映
モートマンネクストの他に自律して動くロボットシステムとして展示したのが、実際の製造ラインを仮想空間に同期させるデジタルツインを使ったロボットシステムだ。
３台ずつ３チームの協働ロボットがそれぞれ、文字や絵の一部が描かれたブロックをストッカーから運び、棚に積み上げて絵柄を作る。ロボットの動作や作業内容は、取り付けられたセンサーを通じてリアルタイムで仮想空間に再現される。仮想空間上でのシミュレーションを繰り返すことで、ロボットは作業を自律的により効率化する。
モニターでは、チーム内のロボット同士がチャットのようにメッセージで進ちょくを共有し合う様子を見ることができた。共有された情報に基づいてチームごとに最適な動きを追求した結果、３チームは異なる動き方で作業を実行した。百冨課長補佐は「ロボットは、他の２台の動きや現場の環境に合わせて、動きを変化させる。これを積み重ねた結果、３チームそれぞれの動きに違いが出た」と語る。
直感操作のペンダントを体験
ロボットの展示の他に、タブレット型のプログラムペンダント（操作盤）「スマートペンダント」の展示コーナーも設けた。アルコール消毒液を設置し、感染症対策に配慮した上で来場者に実際に操作をしてもらう体験型の展示だ。
ロボットを使ってカプセルトイのレバーを回し、カプセルを出すのがお題だ。「ペンダントの向きが変わると、その向きに合わせて操作キーの方向とロボットの動作方向の対応関係を自動で変えてくれるモードがあるため、ロボットの横からでも違和感なく操作ができた」と体験者は語る。触って体験できる場ということもあり、この展示ゾーンも大勢の人でにぎわった。
（ロボットダイジェスト編集部 斉藤拓哉）
――特集終わり
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