[エディターズノートvol.25]ゲームチェンジャーは生成AI!?
AIの発展の歴史を少し振り返ると、2010年代から続く第3次AIブームの火付け役となった深層学習(ディープラーニング)AIは、画像など大量のデータを学習させることで「人のように感覚的に物事を認識できる技術」だった。2012年に画像認識の世界的な大会でディープラーニングを用いたシステムが圧勝したことで一気に注目を集めた。
その後、「認識」にとどまらず文章や画像、映像などを生成できる「生成AI」が注目を集めた。米国OpenAI(オープンエーアイ)が正式に「Chat(チャット)GPT」を公開したのは22年だ。
「認識」と「生成」にとどまらず、外部ツールを操作してコンピューター内やネットワーク上で目標達成のための作業を実行できる「エージェントAI」も登場。そして今、ロボットなどのハードウエアを通して現実世界で目標達成のための作業を実行できる「フィジカルAI」が大きな注目を浴びている。各種センサーで現実世界を認識し、適切に判断して作業を遂行できるロボットシステムだ。概念や考え方は少し異なるが、「エンボディドAI」もフィジカルAIに近いシステムといえる。
フィジカルAIは別の機会に詳しく触れたいが、個人的に今注目しているのが「生成AI」の活用だ。ロボットのプログラミングソフトウエアに組み込まれるケースが増えており、いよいよロボット産業でも本格的に使われる時代がやってきそうだ。やってほしい動作を自然言語で伝えるだけで、そのための動作プログラムが即座に自動生成される。「もう少し動きを速く」など、パラメーターの調整も簡単だ。
ロボットダイジェストでは以前から生成AIに注目してきた。昨年ドイツで開かれた展示会「automatica(オートマティカ) 2025」の記事ではドイツ大手KUKA(クカ)の生成AIアシスタント機能を紹介した。
国際ロボット展の「iREX2025リポートvol.5」でも、ドイツのベッコフオートメーションの生成AIを使った提案を掲載した。
先日公開したABB Robotics Japan(エービービー・ロボティクス・ジャパン、東京都品川区、浅利貴社長)の記事でも、ロボットのプログラミング・シミュレーション用ソフトに組み込まれたAIサポート機能を取り上げた。
生成AIならAI自身が何かを判断して勝手に実行することはなく、人の代わりにプログラムコードを作成・確認・修正してくれるだけだ。生成されたプログラムは人の目でも確認できるため、生成過程の詳細は不明でも、出力されたプログラムにはAIを使う際の不安要素であるブラックボックスが一切ない。
まだまだ一回の指示で望み通りのプログラムが生成されることは少ないが、今のAIの進化の速さを考えれば、それもすぐにできるようになるだろう。まずは人の目でチェックできて安心して使える生成AIがロボット普及の起爆剤になることを期待したい。
〇担当記者からのおすすめ①:欧州最大のロボット展、過去最多の来場者で盛況【前編】/automatica 2025
〇担当記者からのおすすめ②:[iREX2025リポートvol.5]ユニークな協働ロボットなど新たな製品やアプリケーションが続々
〇担当記者からのおすすめ③:デモイベントで新開発のAI機能などを披露/ABB Robotics Japan
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