[注目製品PickUp!Vol.5]最小、最軽量の持ち運べる6軸ロボット【前編】/安川電機 「MotoMINI」
従来のロボットとは違う使い方も
同社では原則として顧客のニーズをくみ取って製品を開発する“マーケットイン”と呼ばれる手法を取るが、モートミニは「どこまで小さくできるか」という技術的なチャレンジを発端に、“プロダクトアウト”(顧客の要望ではなく、メーカー発で製品を企画・開発する手法)で製品化した。 製品化を決めた段階では、電子部品をはじめ、食品・化粧品・医薬品のいわゆる3品業界への販売を想定していた。従来の主要ユーザーである自動車や機械とは業界が違うが、用途は自動車や機械と同じように部品の組み立てや搬送を見込んでいた。 モートミニは本体が小型軽量なだけに、可搬重量は0.5kg、最大リーチは350mmとどちらも大きくない。当初は対象ワークや用途が限られると思われた。発売してみると、販売先は予想通りだったが、想定外の使われ方があった。例えば、シールをはがすだけなど、今までわざわざロボットが使われなかったような簡単な作業にも導入されるケースが少なくなかった。
どうやって小さくしたか
モートミニは従来の多関節ロボットとは比べものにならないほど小さく軽いが、ロボットを小さくするのは簡単ではない。ロボットの大きさに関わらず、サーボモーターや減速機、ケーブルなど、要素部品はどれも欠かすことができないからだ。 鍵になるのはモーターの小型化だが、小さなモーターでも駆動可能にするにはロボット全体の大幅な軽量化が必要になる。思い切った軽量化のために着目したのは、従来当たり前だった金属製のきょう体と骨格だった。
――続く
(ロボットダイジェスト編集部)
関連記事:[注目製品PickUp!Vol.5]最小、最軽量の持ち運べる6軸ロボット【後編】(12月28日アップ予定)