RTJ2022、盛況裡に閉幕
ロボットテクノロジージャパン2022(RTJ2022)は、3日間合計4万1880人にご来場いただき、盛況のうちに閉幕いたしました。ありがとうございました。次回展は2024年7月上旬の開催予定です。
生産現場のロボット化と自動化を支援するウェブマガジン
REAL TIME REPORTING
ロボットテクノロジージャパン2022(RTJ2022)は、3日間合計4万1880人にご来場いただき、盛況のうちに閉幕いたしました。ありがとうございました。次回展は2024年7月上旬の開催予定です。
ABBの協働ロボット「YuMi(ユーミィ)」を使って簡単なダイレクトティーチングを学べるコーナー。ティーチングペンダントを使用せず、直感的な操作を体験できる。
会期中は毎日、主催者企画としてイベントが開催されている。最終日は「新分野に学ぶロボット活用術」と題した特別セミナーが2本開催された。特別セミナー01ではinahoの大山宗哉最高執行責任者が登壇し、「自動ミニトマト収穫ロボット~AI農業ロボットによるサービス型ロボットビジネス~」をテーマに、農業とロボティクスの関わりや過去の導入事例から得た学びについて講演した。特別セミナー02ではアストロスケールホールディングスの岡田光信最高経営責任者(CEO)が「宇宙船外汎用作業ロボット~持続利用可能な宇宙をロボットで実現~」をテーマに、スペースデブリ(宇宙ごみ)の回収事業に乗り出したきっかけや回収に必要なロボティクス技術などについて講演した。両講演とも事前予約の段階で満席となるほどの盛況ぶりだった。
コスメック(C-55)は、ロボットの周辺機器としても、自動機の要素部品としても使えるジグやクランプ機器、ハンドチャンジャ―を多数出展する。目玉の一つが今年3月に発売したばかりの「エアスイングクランプ」だ。
三共製作所(C-24)は、ハンドリングロボットやアーク溶接ロボットなどの各種ロボットを安定搬送できる走行軸「Robo Shuttle(ロボシャトル)」を出展する。ロボシャトルは最大300㎏まで積載できる。搬送速度は毎秒1mと高速で搬送できる。搬送路は繰り返し精度は±0.05mmのため、精度を求められる作業にも向く。部品交換ができ、自己潤滑機能が付いており、メンテナンス性も高い。佐々木洋平国内営業本部長は「モジュール形式のため、必要な長さに応じてモジュールを連結させて使えて経済的」と話す。
ロボテック ユニパルス(D-51)は電動バランサーの「ムーンリフタ」と小型の産業用ロボットを組み合わせたデモを出展する。ムーンリフタは、荷重センサーとサーボモーターで力と位置を常に検知しながらワーク(運搬対象物)の上げ下げをサポートする。デモでは小型のロボットが100㎏のワークを持ち上げる動作を披露する。ユニパルスの営業本部営業企画課の久原和晃課長は「産業用ロボットに限らず協働ロボットや力の弱い方でも使用できる」と強調する。
CKD(C-45)は電動アクチュエーター「ROBODEX(ロボデックス)」を大々的にPRしている。モーター付きとモーターレスを合わせ、全27シリーズ106サイズをラインアップする。
ラピュタロボティクス(C-50)は、AMR(自律搬送車)「ラピュタPA-AMR」を出展する。あらかじめ指定した目的地への搬送路をAI(人工知能)が考えて進むのが特徴。搭載するカメラで周囲の状況を確認し、障害物があればAIがそれを避けた搬送路を生み出して進むことができるため、導入時に倉庫のレイアウトを変更する必要がない。オフィス・マーケティング・アソシエートの宮本雷蔵さんは「ピッキングする商品をモニターでガイドするため、商品を探す手間が省けてミスを減らせる」と語る。
輸入商社のテクトレ(C-25)は、製造現場などで工程間の運搬をさせる配送ロボットを提案。露木悠一郎ディレクターは「台車を使う人手での運搬作業を、自動化するのに最適。時給換算で300円にコストを抑えられる」と強調する。無人搬送車(AGV)や自律走行搬送ロボット(AMR)に比べて導入も容易で、現場の作業を止めることなく導入できる。電子・電気・電子部品業界を中心に有力な引き合いも生まれているという。「配送ロボットは単価220万円と安価で、気軽に導入しやすい。現場ごとの成功パターンなども提示させていただく」(露木ディレクター)と意気込む。
安川電機(D-47)は、「工程」「生産量」「品種」の3つの変化に対応する最新提案を披露する。中小型の垂直多関節ロボットや無人搬送車(AGV)を駆使し、パズルのピースを組み合わせるようにイラストを完成させる。3つのセルでそれぞれ異なるイラストの完成を目指すが、ロボット同士がそれぞれの進ちょくを共有し、必要に応じて他セルのロボットが応援にかけつけることも。