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2023.11.14

[特集 2023国際ロボット展vol.1]ロボットはインフラに

11月29日~12月2日の4日間、東京都江東区の東京ビッグサイトで世界最大級のロボット展示会「2023国際ロボット展(iREX2023)」が開かれる。自動化需要は足元の受注こそ減速しているものの、中長期的な拡大見通しは変わらない。自動化に特別積極的な企業だけでなく、一般的な企業でもロボットを活用した自動化が当たり前の選択肢の一つになりつつある。少子高齢化や人手不足に短期的な解決策はなく、あらゆる産業が「ロボットありき」で事業を考えるべき時期に来た。同時にそれを実現するためのロボットの技術革新も進む。業界をけん引するトップランナーたちの最新提案を通し、来たるべき未来の自動化の在り方を探る。

数千万人規模で減る働き手

出所:内閣府「令和4年版少子化社会対策白書」より引用

 15~64歳の生産年齢人口が減り続けている。1995年に8716万人だった同年齢層は、2020年には7509万人となった。1000万人以上の減少だ。推計では25年には7170万人、30年には6875万人、40年には5978万人、50年には5275万人と、今後も右肩下がりが続く。

 総務省「労働力調査」を見ると、高齢者の再雇用や女性活躍などでしのいできたため、日本全体の就業者数はまだあまり減っていない。しかし今後、高齢者の完全引退が増え、総就業者数も減っていく見通しだ。

 製造業では人手不足が事業に影響を及ぼし始めている。2023年版「ものづくり白書」では、三菱UFJリサーチ&コンサルティングのアンケート調査を元に「事業に影響を及ぼす社会情勢の変化」をまとめている。
 22年度調査では「人手不足」が事業に影響を及ぼすと回答した比率は、前年度比6.6ポイント増の56.3%となった。この比率は全体の中で5番目に高く、中国のロックダウンや部素材不足、為替変動、物流コストの上昇などを上回る。

出所:経済産業省・厚生労働省・文部科学省「令和5年版ものづくり白書」より引用

 現状でも人手不足感は強いが、今後さらに強まることは間違いないだろう。人材採用の強化なども重要だが、同時に少ない人員で事業継続するための自動化も喫緊の課題だ。

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