• イベント
2026.07.01
★お気に入り登録

金属加工業3社への公開取材で、ロボット導入のコツに迫る

――今でこそロボットを活用する3社ですが、初めての導入時にはどんな苦労がありましたか。

公開取材の様子をまとめた動画

鷲﨑 簡単な工程から始めたので大きな苦労はありませんでしたが、全てを自動化しようとすると壁にぶつかると思います。人手のままで良い作業と、自動化したい作業と明確な線引きが重要です。

加藤 1台目の導入は10年ほど前ですが、恥ずかしながら全く知識がないまま購入しました。なかなか周囲にも頼れず、自分なりに調べながら、ソフトウエアの知見のある社員の力も借りてなんとか使えるようになりました。

山田 経済産業省のロボット導入実証事業の補助を受けて、カメラやパーツフィーダーと合わせてロボットを導入しました。ただ、当時はカメラの性能も十分でなく、自動化するには難しい作業内容でした。導入前の土台作りが重要と痛感しました。

――そうした苦労がありながらも、自動化を進めてきたのですね。ロボット導入後のメリットはいくつかあると思いますが、ずばり、どれくらい儲かるようになりましたか。

鷲﨑 誰が聞いているか分からないので、儲かっているかどうかはちょっと置いておきます(笑)。ただ、ロボットが稼働する現場とのことで工場見学に来る企業が増え、周囲から注目を集めているとの意識が社員の中に生まれたように思います。ロボットや人工知能(AI)を業務に取り入れようとする過程で、社員に普段の仕事以外のことを考えるきっかけを与えられたのも良かったですね。

加藤 工場内のロボット5台の稼働状況を考えると、現状はそれほどプラスではないかもしれません。ただ、自動化に取り組んできたことで、未来に進もうとの気持ちが社内で養われ、モチベーションの向上にもなったと感じます。また今後は人材採用が一層難しくなるでしょうから、製造業に関わってこなかった人でも働きやすい自動化した工場である点が、大きなメリットになりそうです。

山田 冒頭でも伝えた通り、機械の稼働時間が大幅に向上しました。量産部品と少量生産の部品を明確に分けて生産できるようになり、時間的余裕も生まれました。また、社員のモチベーション向上はやはり感じますね。ロボットシステムを組み上げる最中の社員が、とても楽しそうに取り組んでいるので、仕事の中で何が喜びになるかが変わりつつあるように感じます。

50人以上の聴講者が集まり、ロボット導入のコツに耳を傾けた

――最後に、失敗しないロボット導入のコツを、改めて教えてください。

山田 ロボットを導入するに当たり、いかに人の喜びにつなげられるかを意識すれば、社内にも受け入れられ、自動化が進んでいくでしょう。

加藤 失敗しないのは難しいですが、失敗を乗り越えて諦めずに先に進もうとする力強さが大事です。時には周囲の助けを借りることも必要ですね。

鷲﨑 何も動いていないことが一番の失敗で、まずはやってみる姿勢を持つべきです。今はベテラン社員も以前より楽しそうに働いていて、ロボットは会社をより良くする要素にもなります。

――とにかくやってみて、諦めずに社内外と協力して進めるのが、成功への近道になりそうですね。登壇者の皆さま、ありがとうございました。

(聞き手・ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史

担当記者からのおすすめ!
〇[ロボットが活躍する現場vol.3]ロボットを生かすには「標準化」が鍵【前編】/山田製作所
〇[SIerを訪ねてvol.49]何も分からない状態から積み重ねた経験/カトウ
〇[ロボットが活躍する現場vol.43] タッグで挑む自動化の道/スザキ工業所

同じ企業の記事

>>[エディターズノートvol.28] ロボットを扱える人が爆増中!

>>編集室だより/2026年6月末

>>[エディターズノートvol.27] フィジカルAIって?

>>編集室だより/2026年5月末

>>【読んで発見「RTJ2026」vol.3】ヒューマノイドが続々と

>>[直前特集RTJ2026 vol.1] 過去最大規模で6月11日から

>>【読んで発見「RTJ2026」vol.2】物流向け提案の最前線

>>【読んで発見「RTJ2026」vol.1】自動化のヒントを探す場に

>>「ロボットテクノロジージャパン2026」が6月11日から開幕!

>>[エディターズノートvol.26] 予約はお済みですか?

>>編集室だより/2026年4月末

>>[エディターズノートvol.25]ゲームチェンジャーは生成AI!?

>>編集室だより/2026年3月末

>>[エディターズノートvol.24]教えて、ロボットさん

>>編集室だより/2026年2月末

>>[エディターズノートvol.23]“不気味の谷”は近い

>>編集室だより/2026年1月末

>>[エディターズノートvol.22]エネルギーに満ちあふれる年に

>>編集室だより/2025年12月末

>>[エディターズノートvol.21]現在・過去・未来

>>編集室だより/2025年11月末

>> [MECT2025フォトリポート]ロボットによる自動化が定番に

>>[エディターズノートvol.20]活発化するM&A

>>[エディターズノートvol.19]担当者によると

>>[エディターズノートvol.18]未来を作る

>>MECT2025の来場登録を開始、ボーイングの自動化の最新事例も

>>「ロボットテクノロジージャパン2026」の出展受け付けを開始

>>[エディターズノートvol.15] まず自分を売る

>>[人事]八角秀が社長に就任/ニュースダイジェスト社

>>1985年に開催した「FMS&ロボット展」の映像を公開/ニュースダイジェスト社

>>[特別企画 新ロボット展 in 愛知 vol.1]ROBOT TECHNOLOGY JAPAN、リベンジへ/RTJ事務局長インタビュー

>>国際物流総合展にロボット専門メディアが出展/ニュースダイジェスト社

>>ロボットテクノロジージャパンの開催を見送り/ニュースダイジェスト社

>>ロボットダイジェスト東京支社を移転/ニュースダイジェスト社

>>産ロボ専門のウェブマガジンがプレオープン/ニュースダイジェスト社

★お気に入り登録

BASIC KNOWLEDGE