[2023国際ロボット展リポートvol.4]協働ロボの最新モデルを国内初披露/Dobot Robotics
中国の深圳市に本社を置くロボットメーカーのDobot Robotics (ドゥーボットロボティクス)は、2023国際ロボット展(iREX2023)で6軸協働ロボットの最新モデル「CRAシリーズ」を国内初披露した。動作スピードを向上させるなど、従来品から機能強化を図ったのが特徴だ。ブースでは20kg可搬の機種を使ったパレタイジング作業のデモを実施し、来場者の注目を集めた。
サイクルタイムを25%短縮
Dobot RoboticsのCRAシリーズは、従来の「CRシリーズ」から機能をさらに強化した6軸協働ロボットの最新モデルだ。最大可搬質量は3kg~20kg、最大リーチ長は620mm~1700mmで計7機種をそろえる。
今回展を皮切りに日本市場でも本格的に販売する計画で、ブースでも目玉製品として大々的にPRした。
中でも注目を集めたのが、CRシリーズにはなかった20kg可搬の協働ロボット「CR20A」。同社の製品ラインアップの中では最大可搬を誇り、重量物の搬送に特に力を発揮する。
ブースでは段ボール箱を積み上げるパレタイジング作業の自動化デモを披露し、来場者の興味を引き付けた。
日本法人のDobot Japan(ドゥーボットジャパン、東京都港区、ロウ・ジュリン代表)の坂田育洋執行役員は「動作スピードが速くなったのがCRAシリーズの大きな特徴の一つ」と話す。
一体型のコンパクトな関節軸を採用したことで動作スピードを高め、サイクルタイムを従来比で25%短縮した。
また、最新の制御ボックスやソフトウエアも搭載しており、安全性や動作安定性も改善。独自の非接触検知機能「セーフスキン」も搭載でき、現在は3kg可搬、5kg可搬、10kg可搬の3機種をセーフスキン対応の「CRASシリーズ」としてラインアップする。
この他、新開発の2.5Dビジョンシステム「VX500 スマートカメラ」をオプションで搭載できるのも特徴だ。「自社開発のアルゴリズム(計算手順)を採用しており、物体の重なりや傾斜も正確に認識できる」と坂田執行役員は述べる。
日本で実績を作る
Dobot Roboticsは2015年創業のベンチャー企業で、教育用の卓上ロボットメーカーとして広く知られる。
今年3月には日本法人を設け、日本市場への本格進出も果たした。代理店網の拡充にも力を入れており、現在は12社が同社製品の国内販売を手掛けるという。
坂田執行役員は「日本での導入実績があれば、東南アジアやインドでも通用する。『日本で採用されている中国製ロボット』とのブランドを確立するためにも、まずは日本のお客さまにしっかりとPRして実績を作りたい」と意気込む。
そこで、今回展ではCRAシリーズなどの実機展示に加え、三機(名古屋市熱田区、木島正人社長)、フレアオリジナル(長野県坂城町、田中陽一郎社長)、アスカ、リョーサンの4社の代理店もパートナーとして内部出展して具体的なアプリケーション(応用事例)を提案した。
三機はコスメック(神戸市西区、木村公治社長)のメカ式クランプ装置を活用した移動式台車用連結システム「ガッチャンコ」を紹介した。また、フレアオリジナルは2次元コードの動きにロボットが追従するシステム「EYE ROBOT(アイロボット)」を披露。田中社長は「溶接や部品のはめ込みなど、動きが伴う作業の自動化に向く」と語る。
(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)

