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2019.11.06

独EMO展で発表、ハードとソフトの両面から自動化を支援/ヤマザキマザック

NC装置を使ってロボット操作

EMOで披露した「マザトロール・スムースAi」

 機械構造などのハード面だけではなく、ソフト面でも自動化ニーズに応える工夫をEMOでは披露した。
 i-HシリーズやC-600には、新開発のNC装置「MAZATROL Smooth(マザトロール・スムース) Ai」を搭載した。

 スムースAiで注目すべきは、ロボットのティーチング(動作を覚えさせること)作業を効率化する新機能「ロボットセットアップアシスト」だ。加工対象の部品の形状や、ロボットで部品をつかむときの幅など、必要最小限の情報をNC装置に入力するだけでティーチングが完了する。
 堀部和也執行役員ソリューション事業部長は「工作機械とロボットの座標系が連携している。そのため、NC装置からロボットにどのように動くかを指令できる」と説明する。

 ロボットは通常、ティーチングをして動作プログラムを作る必要があるが、ティーチングは難しく時間がかかる。だが、NC装置を使ってロボットを操作できれば、ロボットに不慣れな人でも工作機械と同じ要領で扱える。

パートナー企業との連携も

「マザック・ソリューション・パートナーズ」のイメージ図

 さらに、ロボットメーカーなどとの連携を強化する独自の施策「Mazak Solution Partners(マザック・ソリューション・パートナーズ)」も新たに発表した。

 自社製の工作機械と接続するためのインターフェース(接続方法やその規格)をパートナー企業に公開し、ロボットを使った自動化セルの構築などを効率化する。ファナックと三菱電機、ドイツKUKAの3社のロボットメーカーがパートナー企業に名を連ねる。

 また、マザックは現在、製造現場の工作機械の仮想モデルをパソコン上のサイバー空間に再現する「デジタルツイン」関連の取り組みにも注力する。今後は、マザック・ソリューション・パートナーズの取り組みを通して、複数のソフトメーカーとの連携も強化する考えだ。
 パートナー企業にインターフェースを公開することで、加工プログラム作成の効率化やシミュレーションによる機械稼働率の向上を実現する。

 堀部執行役員は「デジタルツインは単なるシミュレーションではない。人の感覚で分かりにくい、あるいは抜けてしまうところを自動で補うシステムを構築するには、ソフトとの連携が不可欠」と狙いを明かす。

(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)



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