[注目製品PickUp! vol.82]結露対策を施した食品工場向けのAMR/GEクリエイティブ「YL-250F」
冷蔵庫や冷凍庫で使える
迷子にならない
システム構築も自社で
YL-250Fはエレベーターと連携して各階に移動できる
同社は昨年、日本惣菜協会(会長・平井浩一郎ヒライ社長)が主導するプロジェクトに参画したのをきっかけに、本格的に食品工場向けのAMRの開発に取り組み始めた。同協会は経済産業省の事業である「令和6年度革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」に採択され、複数の協力企業とともに総菜業界向けの自動化システムの開発や現場実装を目指している。
越後部長は「総菜や弁当の製造現場に潜在的な搬送の自動化ニーズがあるのは確か。しかし、食品工場特有のさまざまな課題があり、自動化が進んでいなかった」と語る。
本事業ではAMR本体の開発に加え、弁当の盛り付けラインからエレベーターを経由して、冷蔵庫や冷凍庫に製品を自動搬送するシステムを構築した。
越後部長は「わが社では国内でAMRを製造しており、搬送システムの構築から据え付け、アフターサービスまで自社で一貫して提供できるのが強み」と力を込める。
AMRをインターネットで
GEクリエイティブは2016年に創業し、基幹システムやソフトウエア製品の開発などを手掛けてきた。17年に新事業の創出を目指すエムジーホールディングス(名古屋市中区、森田隆博社長)の傘下に入ったのを機に、22年にAMR事業に参入。同じくグループ企業で無人搬送車(AGV)の車体開発にノウハウを持つ東邦大信(名古屋市港区、田辺康宏社長)と共同でAMRやAGVを開発した。23年にコンセプトモデルを発表し、24年に発売にこぎつけた。
製品開発でこだわるのは簡単に使える導入しやすいAMR だ。複雑な周辺機器との連携や上下の昇降機能などを省き、シンプルな横移動に絞った。その特徴からブランド名を「YOKOIDO(ヨコイドー)」と名付け、さまざまなAMRをラインアップする。
ゆくゆくはAMRのインターネット販売を目指すという同社。越後部長は「お客さまがインターネットでAMRを購入し、設定から運用まで自分でできるのが理想。導入しやすいAMRを提供することで、潜在的な自動化ニーズを持つ中小企業の自動化に貢献したい」と展望を語る。
(ロボットダイジェスト編集部 平川一理)