2026.07.07
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新工場棟が稼働、AIロボットがロボットを作る/安川電機

安川電機は今年6月、北九州市八幡西区の本社敷地内に建設した「第5工場」の本格稼働を開始した。2階でサーボモーターを生産し、そのサーボモーターを使って1階で産業用ロボットを製造する。変種変量生産に対応しやすい「分散セル方式」を初めて採用し、ねじ締めなどの工程には人工知能(AI)を搭載するロボット「MOTOMAN NEXT(モートマンネクスト)」を活用する。

曽根勇也:ロボットダイジェスト編集デスク

変種変量生産に対応しやすい「分散セル方式」

 安川電機の第5工場は昨年7月に建屋が完成し、各種設備の導入や試験生産などを経て今年6月に本格生産を開始した新工場だ。2階建てで延べ床面積は約3万㎡。2階でサーボモーターの組み立てを行い、1階ではそのサーボモーターを使ってロボットを生産する。生産能力はサーボモーターが月産2万台で、ロボットは月産1500台。12機種のロボットを製造できる。

 これまではロボット用のサーボモーターを同市内の八幡東事業所から供給していたが、一つの工場内で一貫生産することで納期管理や在庫管理を簡素化し、物流コストなどを削減した。

第5工場について説明する林田歩取締役常務執行役員(中央)と馬場天理事(左)と安野真佐和工場長

 同工場の大きな特徴の一つが、従来の「ライン生産方式」から「分散セル方式」へと生産方式を一新したこと。工程ごとに設備を複数台並べ、無人搬送車(AGV)で部品・製品を工程間搬送する。

 コンベヤーなどで設備を直列につなぐライン生産方式の場合、設備の保全や故障の際は、ライン全体の稼働が停止する。一方、分散セル方式なら、設備の一部を止めても同じ工程の他の設備に作業を割り当てることで生産を続けられるため、稼働を維持したまま計画的に保全作業などができる。
 「変種変量生産が可能な柔軟な生産ラインを実現するために『分散セル方式』を採用した。生産量の増減や生産機種の追加にも対応しやすい」と林田歩取締役常務執行役員はメリットを説明する。

モートマンネクストを自社でも活用

工場1階に設置したロボット73台のうち約半数がAI搭載のモートマンネクスト

 自律的に作業が可能なモートマンネクストや、自律分散制御を実現する「YRMコントローラ」などの自社製品で生産性を高めていることも特徴だ。高度に自動化することでスタッフ1人当たりの生産性を約2倍に高めた。

 ロボットを製造する1階には73台のロボットが導入されているが、その約半分の35台がAI搭載のモートマンネクストで、ロボットの組み立て工程でのねじ締めなどを担う。ねじが少し斜めに入るなどしてねじ山がうまくかみ合わなかった場合は、モートマンネクストがそれを認識し、人と同じように再トライする。
 「今後はシール材塗布や圧入、組み立てなど他工程にもモートマンネクストの活用範囲を拡大していきたい」と安野真佐和工場長は話す。

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