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2023.02.17

[活躍するロボジョvol.16]現場でしか分からないことがある/京セラ 牛星さん

ロボット業界で活躍する女性にスポットを当てた連載「活躍するロボジョ」。第16回は、2019年にロボティクス事業部を立ち上げた京セラで、ロボットシステムの導入をサポートする中国出身の牛星(にゅう・しん)さんを紹介する。牛さんはこれまで、携帯電話向けソフトウエアの開発や生産技術における人工知能(AI)の活用方法の研究を担当していた。「ロボティクス事業部に配属される以前はほとんどデスクワークだったため、エンドユーザーの方の声を直接伺うことは少なかった。現場に立たないと気付けないことがあると痛感しました」と話す。

現場ならではのやりがい

 京セラは23年のロボット業界への本格参入を目指し、19年にロボティクス部門を発足した。AIと3Dビジョンセンサーで協働ロボットを知能化する「AI協働ロボット・システム」を開発し、自社工場で実績を積み重ねている。同システムはティーチング(教示)の手間をなくして多品種少量生産に対応する。クラウド上に搬送対象物などのデータを蓄積し、AIがそのデータを継続的に学習することで、現場の環境変化に応じた安定した運用を実現するのが特徴だ。

協働ロボットを使ったロボットシステムを導入することが多い

 牛さんは、製造現場へのロボットシステムの導入を支援するフィールド・サポート・チームに所属する。同チームはロボットシステムの開発部門と連携し、現場からの要望を基にシステムの調整などをする。「機械の稼働率の向上やタクトタイムの短縮などの課題をクリアして、ロボットシステムを導入できた時の達成感はとても大きいです」とほほ笑む。

牛さんの仕事ぶりは周囲も高く評価する

 ロボティクス事業部の秋山卓也事業開発チーム責任者は「AIやクラウドなどに精通しており知識量が豊富なので、非常に頼りになる。問題点があればはっきりと指摘してくれるのもありがたい」と高く評価する。

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