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　協働ロボットは国際ロボット展(iREX)の2017年展や19年展で大きな話題となったが、今回展でも改めて注目を浴びた。中でも、見学する来場者が常に絶えなかったのがファナックの展示だ。 　同社は今回展で、新型協働ロボット「CRXシリーズ」のラインアップを大幅に拡充した。これまでは10kg可搬でリーチ長が異なる「CRX-10iA」と「CRX-10iA/L」の２機種のみを販売してきたが、５kg可搬の「CRX-5iA」、20kg可搬の「CRX-20iA/L」、25kg可搬の「CRX-25iA」の３機種を一度に発表した。可搬質量は５kg～25kg、リーチ長は993.5mmから1889mmまでカバーする。

　CRX-5iAは小物部品のハンドリングや組み立てに最適。CRX-20iA/Lはリーチ長が1418mmあり工作機械への被加工物の付け外しなどに対応しやすく、軽量のため無人搬送車（AGV）や手押し台車にも搭載しやすい。CRX-25iAは可搬質量・リーチ長ともに最大の機種で、荷役台（パレット）に箱などを積み下ろすパレタイジング／デパレタイジングなどに活用できる。 　「ラインアップはそろった。いよいよ本格的に販売を拡大する。CRXシリーズの生産規模は、年末までに現在の３倍に引き上げる」と山口賢治社長兼最高経営責任者（CEO）は意気込む。

　CRXシリーズはロボットに不慣れな人にも扱いやすい協働ロボットだが、従来からのファナックのロボットユーザーにとって使いやすい緑の協働ロボット「CRシリーズ」の35kg可搬の機種も軽量かつスリムにリニューアルした。

　その他、新製品として天つりタイプのスカラロボットや、広い動作範囲を持つ可搬質量１tの高可搬ロボット、防じん・防水性に優れるフルカバータイプの10kg可搬のロボットなどを発表した。 　「新型コロナウイルス禍以降、披露の場はなくても、ずっと開発は続けてきた。今回展はその集大成」と山口社長兼CEOは話す。 　国際ロボット展は今週土曜日の３月12日まで開催中だ。

（ロボットダイジェスト編集デスク　曽根勇也）