[特集FOOMA JAPAN]食の上流も自動化、最前線のエッセンスを会場で/安川電機
安川電機は、「中食(なかしょく)」市場向けの自動化提案に力を入れる。現在は特定の顧客と共に、食品工場向けシステムの開発や検証を進めており、その成果の一端を7月9日~12日に開かれる「FOOMA JAPAN(国際食品工業展)2019」で披露する。省スペースや衛生管理など、食品製造の現場のニーズをくみ取ったロボットシステムを展示する計画だ。「『食品産業の自動化なら安川』のイメージを浸透させたい」と高宮浩一取締役常務執行役員は語る。
「中食」製造の自動化にも取り組む
包装されたお菓子や冷凍食品、飲料ボトルなどの搬送や箱詰め、箱の積み下ろしで以前から安川電機のロボットが使われてきた。弁当や総菜などの中食の製造向けにロボットを提案し始めたのは2015年から。
「中食産業では人手不足が深刻。ご飯を炊く、おかずを調理するといった工程は専用機で自動化されているが、仕入れた食材の梱包を開けて、向きをそろえて並べたり、加工後の食品を盛り付ける作業は人がしており、まだまだ自動化されていない」と高宮浩一取締役常務執行役員は言う。
これまで自動化されていなかった工程を自動化するにはどうすればいいのか、どのようなロボットシステムならば導入できるのか。そうしたノウハウの蓄積やシステムの検証を、一部の顧客と一緒に進めている。実際のシステムは公開できないが、そこで培った知見のエッセンスが詰まった展示をFOOMA Japan2019では披露する。
小型ロボットで大幅な省スペース実現
今回の展示テーマは「食を大変革‐ロボットが育む食と農‐」。会場では2つのロボットシステムを展示する。
一つ目が、コンベヤーから流れてくるトマトをロボットが箱詰めするシステム。最大の特徴が、6軸多関節ロボットとして業界最小で最軽量(同社調べ)の「MotoMINI(モートミニ)」を使うこと。2017年発売のモートミニは、電子機器の組み立てなどを想定して開発された製品だが、これを食品向けに提案する。
モートミニをコンベヤーのすぐ上に吊り下げて設置して使う。同様の作業をパラレルリンクロボットでする場合と比べ、設置面積で約5分の1、設置に必要な空間(体積)はさらに大幅に抑えられる。
野菜や果物を収穫後に集めて等級を分類する選果場などでも使えるが、中食工場での食材の整列工程にも使える。
「中食工場は空間に余裕がない現場が多く、ロボット導入のニーズは高いが設置が難しかった。これまでにないサイズのモートミニでスペースの問題をクリアする提案ができるのは当社の強み」(高宮取締役)。
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