生産現場のロボット化と自動化を支援するウェブマガジン

2020.06.19

アフターコロナ見据え、協働ロボや新型AGVの提案加速/IDECファクトリーソリューションズ

IDECファクトリーソリューションズ(愛知県一宮市、武仲清貴社長)は、安全柵なしで人と一緒に働ける協働ロボットに特化したシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)だ。新型コロナウイルス禍が収束した「アフターコロナ」時代を見据え、協働ロボットや自律走行型の無人搬送車(AGV)提案を加速させる。対面営業がしにくい現状を踏まえ、ウェブセミナーを通じた情報発信に力を入れる。

「非接触」が重要に

AMRの導入現場

 協働ロボットに特化したSIerのIDECファクトリーソリューションズは5月28日、1回目の無料ウェブセミナー「ウィズコロナのモノづくりとモバイルロボット活用」を開催した。製造業などから約50人が視聴した。

 鈴木正敏取締役ロボットシステム部長が、会社概要をはじめ、新型コロナ禍が製造現場や物流の現場に与える影響、自動化ニーズに応える新型AGV製品などを解説した。

 新型コロナ禍が収束した「アフターコロナ」の時代には、人との接触を避ける「非接触」が重要になり、自動化ニーズがより加速すると同社は見通す。
 鈴木取締役は「アフターコロナの時代には、従来の労働集約型の環境を維持するのが難しくなる。そこで期待されるのが協働ロボットで、人と機械が一緒に働ける自動化環境の構築が求められる」と説明する。

新製品「MiR250」も紹介

協働ロボットとMiRを組み合わせた自動化システム

 加速する自動化ニーズに対し、今回のウェブセミナーではデンマークに本社を置くモバイル・インダストリアル・ロボッツ(MiR)の自律走行型AGV「MiR(ミア)」の特徴や活用事例を詳しく紹介した。

 レーザーセンサーなどで周囲の情報を把握し、自分の位置を推定しながら目的地まで自律的に走行する「SLAM(スラム)方式」を採用。自律走行型搬送ロボット(AMR)とも呼ばれる新世代のAGVだ。磁気テープなどを床に設置する必要がなく、レイアウト変更にも柔軟に対応できる。

 ミアはこうした自律走行の機能に加え、安全性の高さを特徴に持つ。突然、進行方向に障害物が出てきたとしても、即座に減速して停止できる。
 使い勝手や操作性も良く、プログラミングやセットアップも簡単。鈴木取締役は「わが社のトレーニングコースを1日受講してもらえれば、その日のうちに運用できる」と語る。
 また、専用の位置決め板を使うだけで±10mm、±0.4度の停止精度を実現する。

最大可搬質量が100kgの「MiR100」

 ミアには最大可搬質量が100kgの「MiR100」、同200kgの「MiR200」、同500kgの「MiR500」、同1000kgの「MiR1000」の4機種があり、セミナーではこれらの4機種に加え、今年6月下旬に発売する同250kgの新製品「MiR250」についても簡単に紹介した。
 MiR250は最小通行可能幅が80cmで、狭い場所でも走行できるという。

 同社は今後もウェブセミナーを実施する計画で、6月25日には「協働ロボットでつくる、ウィズコロナ時代の工場の姿」と題した2回目のウェブセミナーを開催する。
 19年12月に取り扱いを始めた中国のJAKA(ジャカ)ロボティクスの協働ロボットなどを紹介しながら、アフターコロナ時代の協働ロボットの活用法を解説する。

(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)

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