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2020.06.05
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ウェビナーで、先の読めない時代に必要な柔軟性をアピール/ユニバーサルロボット

接触したら次の動作へ

ウェビナーで解説した12の機能(提供)

 5月27日のウェビナー「URロボット、ソフトウェア新機能の紹介」では、ポリスコープの最新版であるバージョン5.8を解説した。  主に12の機能を追加。例えばロボットが接触を検知して次の動作に移るコマンドを搭載した。従来も接触を検知すると動作を止める機能はあったが、それを強化した。

真上から下ろしたロボットハンドで対象物に接触した瞬間。次につかむ動作に移る

 この新機能により、持ち上げ作業時の教示の手間を減らせる。積み重なった対象物を1つだけ持ち上げる際には、対象物の真上からロボットアームを下ろし、対象物に接触させる。接触を検知したらハンドで対象物をつかむ。このようにすれば、対象物の積み重なった個数が変わり高さが変わっても、一度の教示で対応できる。

Gコード対応により、金属加工現場で使いやすく

 また、工作機械の制御に使うプログラミング言語のGコードを読み込めるようになった。ソフト上で加工対象物の外形を認識でき、外形に沿った動作の教示を簡単にできる。  工作機械での加工時にできた不必要な突起を除去する「バリ取り」作業時には、ロボットに回転工具を取り付け、それを当てながら対象物の縁に沿って動かす。あらかじめ外形が分かれば、それに沿ってロボットアームを動かすように教示するだけで済む。  さらに、ソフト上でロボット動作のシミュレーションをできるようにした。これまでは、ロボット本体を実際に動かして動作確認をしていたが、この機能の搭載によりソフト上で簡単に確認できる。  その他にも、ねじ締め動作をテンプレートとして用意するなど、多くの機能を強化した。  このウェビナーを受講して、URロボットの使いやすさをよく理解できた。また実例に触れることで、その裏にある開発思想を感じた。  送信側のURと受信側の記者のどちらの通信環境に問題があったかは不明だが、途中で解説に使った動画が途切れる場面も。ただ、途切れた動画を後日、受講者に再配信するなどサポートにも気を配っているようだ。この辺りは手探りながら、今後は改善されるだろう。

Gコード読み込みの手順(提供)
ソフト上での動作シミュレーションが可能(提供)

採用業種が増えても、やるべきことは変わらない

「これまで同様、使いやすさを高めていく」と意気込む西部慎一技術サポートマネジャー

 セミナーを担当した西部マネジャーに後日取材し、手応えを聞いた。  西部マネジャーは、これまでのウェビナー開催で思わぬ効果があったという。「受講者を分析すると、遠方の方も受講している。また、パソコンの前で気軽に見られるのが好評で、対面式のセミナーよりも質問を多く受ける」。テーマにもよるが、現在では1回あたり数百人が受講する。  オンデマンド版として、ウェビナーの様子を録画した動画も公開する。何度も繰り返し見られるため、高度な技術解説を含むテーマの時は特に好評で、各自のペースで振り返りながら学習できる。  技術系のウェビナーが好評だったため、ウェビナーとは別に、技術解説の動画をそろえた特設ページも開設した。プログラマブル・ロジック・コントローラー(PLC)への接続方法やロボットの遠隔操作などの解説動画を掲載する。今後もコンテンツを追加する予定だ。  西部マネジャーは今だからこその、URロボットの優位性をアピールする。「コロナ後の世界は先が読めない。フレキシブルに運用でき、生産現場の柔軟性を高める設備としてURロボットは最適。使われる業種が広がり新たな用途が生じたら、これまで同様にソフトによる機能向上を軸に、使いやすさを高めていく」と意気込む。

(ロボットダイジェスト編集部 西塚将喜)

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