生産現場のロボット化と自動化を支援するウェブマガジン

2018.11.13

連載

[ロボットが活躍する現場vol.2]生産性は向上したが悩みも 三和ロボティクス【後編】

産業用ロボットを導入した製造現場や物流拠点などをリポートする連載企画。今回は三和ロボティクス(長野県飯田市、沢宏宣社長)の後編(全2回)。精密部品の加工や自動化装置の製造販売を手掛ける同社は、製造現場に協働ロボットを導入し、部品加工機への加工材料の着脱工程を自動化した。

協働タイプに着目

 三和ロボティクスが導入したデンマーク・ユニバーサルロボットの「UR10」は、「協働ロボット」と呼ばれるタイプの製品だ。

 一般的な産業用ロボットは、安全確保のために柵などで周囲を囲う必要があるが、協働ロボットは危険がないことを事前に確認(リスクアセスメント)すれば、安全柵なしで設置できる。

 自動化を進める中で、同社は安全柵付きのロボットだけではなく、協働ロボットにも目を付けた。沢宏宣社長は「当社の場合、多品種少量生産なので、安全柵があると生産する製品を切り替える際の作業がしにくい。そのため、人と同じ空間で働ける協働ロボットは魅力だった」と経緯を説明する。

 協働ロボットの中でも、UR10は動作を覚えさせるティーチングと呼ばれる作業が簡単で、コストも比較的安価だった。
 通常は、ロボットと周辺機器を組み合わせてシステム構築する作業を「システムインテグレーター(SIer)」と呼ばれる専門会社に委託することが多いが、同社はこの作業を自社で行い、ノウハウを蓄積。他社のシステム構築を請け負えるほどの技術力を付け、2015年3月にはユニバーサルロボットの認定SIerにも登録された。

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