[直前特集RTJ2026 vol.6]価値を生む搬送装置へ/物流・搬送
昨今、物流業界や搬送工程向けの自動化需要が急拡大する。それに応える形で産業用ロボットや搬送機器の自動化ソリューションも進化してきた。ロボットテクノロジージャパン(RTJ)2026の会場でも、多くの展示が見られそうだ。特に、単に搬送するだけでなく、搬送しながら加工や検査など作業をこなすような提案も増えている。そこで、無人搬送車(AGV)や自律走行型搬送ロボット(AMR)、リニア搬送システムを中心に注目の展示をまとめた。
(西塚将喜:ロボットダイジェスト編集部)
URロボとの連携も
デンマークに本社を置くAMRメーカーのモバイルインダストリアルロボット(MiR、日本支社=東京都港区、山根剛代表、E67)は、同じくデンマークに本社を置くユニバーサルロボット(UR、日本法人=同、同)と共同出展をする。
両社は、半導体製造装置大手のテラダインの傘下でロボット事業部門を構成する2社として、連携を強めている。それに従い、国内でも昨年からユニバーサルロボットがMiRを吸収する形で共に事業に取り組む。
山根代表は「URの協働ロボットとMiRのAMRでは安全に対する思想が近く、両社ともエンドユーザーが使いやすい制御システムやインターフェースを得意にする。連携のシナジーは高く、今回展でもその一端を見せたい」と話す。
注目の展示の一つが、「モバイルマニピュレータ(MC250)」だ。
MiRのAMRの上部にURロボットを搭載して、ワークのハンドリングや搬送を担う。ここまでは、展示会などでよく目にするようなデモに思える。
AMRには移動中の自己位置の推定や安全確認のためにレーザースキャナーが搭載されていることが多い。MiRの場合は進行方向とその反対側に2個搭載する。
一般には、レーザースキャナーをAMRの移動中にしか使わない。上部に協働ロボットを搭載したシステムを構築する場合は、別で安全用のセーフティーレーザースキャナーを搭載する必要があった。
しかし、今回の展示では異なる。
MiRのレーザースキャナーをAMRとURロボットのどちらも活用できる独自構成を開発。AMRが停止している間も上部に搭載したURロボットが稼働する際の安全確認に使えるように連携した。ロボットの稼働中に人などの接近を検知して、状況によっては緊急停止などをさせる。
また、組み立てや検査をするURロボットとワーク搬送をするMiRのAMRの連携なども予定する。各種コンベアーを使わない近未来の生産ラインを意識したデモ展示とする。
「URロボットでは、素早い動作でもハンドリングした対象物の振動を抑えられるオプティムーブ機能が好評。会場でもアピールしたい」(山根代表)
制御システムの使いやすさも、展示を通じて訴求する。
例えば、あえて事前にルート設定などしていないAMRを置く。来場者が実際に操作することで、周辺マップの生成能力やルート設定のしやすさを体感できる。
URロボットの制御面では、米国NVIDIA(エヌビディア)とのパートナーシップで開発した人工知能(AI)を使ったアプリケーションを開発できる「AI Accelerator(AIアクセレーター)」を披露する。
山根代表は「RTJはロボットユーザーの多い中部地方で具体的な課題を持つ来場者が多い印象。エンドユーザーだけでなく、システムインテグレーター(SIer、エスアイアー)も含めて、新たな出会いに期待したい」と話す。
32社がAGVやAMRを展示予定
他にも、AGVやAMRを展示する予定の企業は多い。同展公式サイトの出展カテゴリー検索では、5月25日時点で32の出展者が「AGV/AMR」の項目に登録している。
その中でも、機械商社の井高(名古屋市中区、高田研至社長、F01)は、台湾のマイクロスター・インターナショナルやドイツのネウラロボティクス、Doog(ドーグ、茨城県つくば市、大島章社長)の「サウザー」など、多数のAGVやAMRを展示する。
中国のネットスターロボットソリューションズが開発した車輪移動型のヒト型ロボットも披露する予定だ。「製造、物流、サービス業など、幅広い現場で活用できる最新ソリューションをぜひ会場で」とアピールする。
他にも、エクセディ(F46)は日本製AMRの「Neibo(ネイボ)」シリーズを展示する。工作機械メーカーのDMG森精機(E03)や牧野フライス製作所(D49)は、工作機械とAMRの連携を披露する予定だ。
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