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2023.09.08

アイデアの共創に向けラボ新設/ベッコフオートメーション

ドイツの制御機器メーカーの日本法人、ベッコフオートメーション(横浜市中区、川野俊充社長)は8月22日、東京都大田区に「ベッコフ共創ラボ」を開設した。ユーザーに技術サポートを提供する拠点としてだけでなく、ショールームや共同研究の場としての機能も持つ。技術者の集積地である大田区にラボを設けたことで、新しいアイデアの共創を加速させる狙いだ。

空間や思考をスイッチ

用途に合わせ、空間を柔軟に切り替えられるベッコフ共創ラボ

 ベッコフオートメーションが8月22日に開設したベッコフ共創ラボは主に、技術サポートなどの拠点とショールーム、共同研究の場としての3つの機能を持つ。川野社長の「機械好きが集まるテーマパークを作りたい」との思いから、技術者が集まり共同プロジェクトに取り組めるようなラボを新設した。
 川野社長は「新しいアイデアを実践する場にしたい」と意気込む。

「最新技術を実証する場にしたい」と語る川野俊充社長

 ラボのコンセプトは「Switch2(スイッチスクエアド)」。スイッチには「切り替える」との意味があり、同社はラボを使用目的に合わせた空間の切り替えや開発テーマに合わせた思考の切り替えができる場とした。

 川野社長は「さまざまな企業とコラボできる場所を以前から探していた。大田区は製造業の技術者が多く、専門家との共創も実現できると思い、この場所を選んだ」と話す。

デモシステムで最新技術を訴求

 同社は産業用通信規格「EtherCAT(イーサキャット)」の開発元で、リアルタイム制御ソフトウエアや、リニア搬送システム「XTS」、ガイドレス浮遊搬送システム「XPlanar(エクスプラナー)」といった多種多様な製品を開発する。共創ラボには、これらを使った液体充填(じゅうてん)などの複数のデモシステムを設置した。

 ラボは大田区が建設した、製造業の中小企業が多く入居するアパート「テクノWING(ウイング)大田」内にある。三相電源を使用でき、床の耐荷重も高い。そのため、室内で工場向けの設備を動かすことができ、共同研究に取り組める。

  • リニア搬送システムXTSなど複数のデモシステムを設置する

  • XTSを利用した、液体充てんのデモシステム

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