【読んで発見「RTJ2026」vol.1】自動化のヒントを探す場に
6月11日~13日の3日間、愛知県常滑市のAichi Sky Expo(アイチ・スカイ・エキスポ、愛知県国際展示場)で、自動化の展示会「ROBOT TECHNOLOGY JAPAN(ロボットテクノロジージャパン、RTJ)2026」が開催される。ここではRTJの公式メディア「robot digest(ロボットダイジェスト)」の記者が、「RTJとはどんな展示会か」「どんな自動化のヒントを得られるか」を3回にわたり紹介する。自動化に初めて向き合う人から自動化のさらなる高度化を目指す人まで、この連載を読んでそれぞれのRTJ2026の活用方法を発見してほしい。
(平川一理:ロボットダイジェスト編集部)
※この記事はRTJ公式ウェブサイトの連載を再編集したものです
「今すぐやる」課題に
RTJ2026は6月11日~13日までの3日間、アイチ・スカイ・エキスポで開催される。3月には出展者説明会が開かれ、265社・団体による1378小間での開催が発表された。出展者数と小間数ともに前回展を上回り、過去最高の規模を見込む。
中部地区で催される産業用ロボットの展示会では最大級の規模となるRTJ。生産現場で活用する自動化提案に特化した展示会で、2024年の前回展は3日間で4万6405人が来場した。
受注はあるが人がいない——。そんな悩みを抱える製造現場は少なくないだろう。実際、人手不足は年々加速しており、30年には644万人、40年には1100万人の労働者が不足すると言われている。こうした背景を受け、人手不足への対策は「いつかやること」から「今すぐやること」へと変わりつつある。
解決策の一つとしてまず考えられるのはロボットを活用した自動化だ。RTJでは産業用ロボットや無人搬送車(AGV)、自律走行型搬送ロボット(AMR)、各種エンドエフェクター、周辺装置などの多岐にわたる自動化ソリューションが出展される。
今年はここにヒューマノイド(ヒト型)ロボットが加わる他、人工知能(AI)を用いた提案もより増えると予想される。前回展より自動化提案の領域は一層広がり、製造現場が抱える課題解決の糸口を探る絶好の場になりそうだ。
工作機械メーカーの提案が多数
では、会場では実際にどんな展示が見られるのか。幅広い業界の生産現場に向けた自動化ソリューションが集まるRTJだが、特徴の一つが工作機械メーカーによる自動化提案に触れられる点にある。工作機械の近くに設置したロボットが加工対象物(ワーク)をローディング、アンローディングする「マシンテンディング」や、工程間のワーク搬送の自動化などが代表例として挙げられる。
前回展では、DMG森精機が協働ロボットとAMRを組み合わせた自動化システム「WH-AMR 10」を使った工具管理の自動化ソリューションを展示した。ドイツのハイマー製のツールプリセッター(工具測定機)で測定した工具を、WH-AMR 10が工作機械に見立てたパネルまで自動搬送するデモを実施した。
中村留精密工業(石川県白山市、中村匠吾社長)は作業者の負担を減らす「ロボット+ストッカーシステム」を、1スピンドル1タレットの複合精密CNC旋盤「SC-200ⅡL」に搭載して出展した。工作機械に設置することで、素材のローディングから完成品のアンローディング、パレタイジング(積み付け)、さらにツールの交換まで自動化できる。同社のストッカー「箱兵衛」を活用し、回収された完成品のパレタイジングまでのデモを披露した。
ロボットでワークを切削
近年は、スピンドルを搭載したロボットアームに切削工具を取り付けてワークを加工する「ロボット切削」を提案するメーカーやシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)も増えてきた。
ロボットは動きの自由度が高く、幅広いサイズのワークをさまざまな角度で加工できる特徴がある。従来はワークサイズの都合上、門形マシニングセンタのような大型設備を使っていた加工も、ロボットシステムなら設置スペースを削減できる。
前回展でSIerのトライエンジニアリング(名古屋市守山区、片山誠二社長)と、切削工具メーカーのイワタツール(名古屋市守山区、岩田昌尚社長)は、ロボットを使った切削加工システムを展示した。ロボットで付加製造(AM)したワークをもう一台のロボットで切削加工して仕上げるシステムで、実際に宇宙産業での導入例もある。さらに、切削工具を交換しながら複数の加工を施すシステムも披露した。工具を回転させるスピンドルを3方向に搭載。ロボットの先端軸を回転させてワークに押し当てる面を変えることで、穴開け加工やねじ山を切り出すタップ加工など、複数の加工をこなす様子をアピールした。
こうした自動化ソリューションは人手不足を補うだけでなく、過酷な環境下やけがのリスクを伴う作業をロボットに任せることで、作業環境の改善にもつながると期待される。
ここで紹介した事例はほんの一部に過ぎず、工作機械メーカーならではの自動化提案やロボット切削の技術は今回展でもさらに進化しているはずだ。ぜひ、会場で実際に確かめてほしい。
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