[エディターズノートvol.24]教えて、ロボットさん
ロボット界隈(かいわい)では「ロボットに動作をいかに教えるのか」がよく話題になる。アームを人が直接動かして動きを覚えさせるダイレクトティーチングや、指示ブロックの組み合わせでプログラムを作るビジュアルプログラミング、シミュレーションソフトウエア上で動作を作るオフラインティーチング、人工知能(AI)に学習させることで詳細な指示を不要にするAI技術など、話題に事欠かない。
「人がロボットに教える」、この流れは今後も変わらないが、今後は反対に「ロボットが人に教える」ことも増えるのではないか、そう思い始めた。仕事でもプライベートでもAIに相談することが増え、「人よりAIの方が気兼ねなく質問できて便利」と実感したからだ。
移動機構と会話機能を持つロボットが新人作業者の「先生」になれば、現場のレベルを引き上げられる可能性がある。スマートフォンのAIは問いかけに応えるだけだが、現場のロボットが能動的に新人に働きかけ、その動きを分析し、お手本を何度もやって見せ、手取り足取り教えることもできる。マニュアルは誰より正確に把握していて、ロボットなら何度同じことを聞かれても機嫌は悪くならない。「よくできたね」「いい質問だね」と褒めれば新人のモチベーション維持にもつながる。新人がいない時期は普通に作業用ロボットとして稼働させればいい。
古い話で恐縮だが、1991年に公開された米国映画「ターミネーター2」では最初、ヒト型ロボット「T-800」は子どものジョン・コナーから物事を教わるばかりだったが、後半ではT-800がジョン・コナーの成長を促す存在になった。T-800が「父親にふさわしい存在」として描かれ、作中の登場人物のモノローグでもそのように語られた。
それと同じだ。先生と父親では立場が異なるが、中国語では武道の先生を「師父」と呼ぶように、父親としてふさわしければ先生にも適任だろう。
現場の中堅スタッフからは「新人教育に割ける時間がない」とよく聞くが、人手不足にはロボットだ。将来は「教育機能」がロボットの新たな付加価値になることを期待したい。
(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)
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