[エディターズノートvol.21]現在・過去・未来
「特集 2025国際ロボット展(iREX2025)」では今回展の見どころなどを掲載中だが、ここでは過去展を振り返ってみたい。
まずは2015年展、協働ロボットが大きな注目を集め始めたのはこの頃からだ。13年12月に厚生労働省の労働安全衛生規則が改正され、安全性が確保できれば安全柵なしでロボットを使えるようになった。15年にはファナックが緑の協働ロボット「CRシリーズ」を発売し、15年展で展示して大きな話題を呼んだ。川崎重工業の双腕スカラアームの「duAro(デュアロ)」も同社のブースに多数展示され、注目を集めた。
17年展ではその他にも多くのメーカーが協働ロボットを展示した。同年6月に発売した安川電機の協働ロボット「MOTOMAN(モートマン)-HC10」も会場で話題を集めた。当時はまだ量産モデルではなく試作モデルを展示する企業も多かった
19年展以降は「robot digest(ロボットダイジェスト)」で展示リポートを今でも読むことができる。協働ロボットの可搬質量は10kgや5kgが中心だったが、16kgや20kg、25kg可搬の協働ロボットが急速に増えた時期だ。新型コロナウイルス禍をきっかけに物流の自動化が注目を集め、高可搬の協働ロボットによるパレタイズ(荷役台への荷積み)の自動化が脚光を浴びた。
コロナ禍や東京五輪の関係で19年展の次は22年で、翌年には23年展も開かれた。この時期のトレンドは今も継続しており、依然として協働ロボットへの注目度は高い。こうして振り返ると、この10年は「協働ロボットがメガトレンド」だったことが分かる。
未来はどうなる?
これからの10年は何がトレンドになるのか。25年展もまだ見ていないのにその先を予想するのは無謀な気もするが少し考えてみたい。27年展はまだ人工知能(AI)が大きなトレンドだろう。口頭の自然言語で指示できる技術は既に開発されているが、簡単な指示にとどまり発展途上だ。本当に自然な会話でロボットに指示ができれば、ロボットの導入や活用のハードルを大幅に下げられる。
29年展以降はどうなるのか。時間をかけて徐々にではあるが、産業用ロボットとサービスロボットの境界があいまいになり、いずれは区別がなくなっていくと私は考える。自律移動機構を備えAIで判断しながら求められる作業をする。そうなると「状況に応じて複数の作業を担う」ことが当たり前になるだろう。そうなれば「産業用ロボットか、サービスロボットか」の区別はあまり意味がなくなる。
日中に人が生産ラインに入って働くなら、ロボットはその間に資材の運搬や掃除をする。社員食堂で調理をしたり、社内保育園で子どもの世話をするのもいいだろう。夜間に人が帰宅したなら、今度はロボットが生産ラインに入り製品を製造する。「人が活躍する、人が中心の社会」のままで、ロボットの稼働率を高められる。これは次の10年ではなくもっと先のことのような気もする。またそこへ至る道は一本道ではなく、途中でくねくねした迷い道があるかもしれないが、そんな未来を期待したい。
(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)
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