[エディターズノートvol.23]“不気味の谷”は近い
国際ロボット連盟(IFR、伊藤孝幸会長〈ファナック技監〉)が発表したロボット産業の「2026年5大トレンド」にもヒューマノイド(ヒト型)ロボットがランクインした(関連記事はこちらから)。昨今の中国メーカー、欧米メーカーの盛り上がりを見ればそれもうなづける。
ヒト型ロボットが「実用的か否か」は議論が分かれるところだが、最近心配していることがある。それは進化で、“不気味の谷”に近づいていることだ。
不気味の谷とは、ロボットのような人工物が「より人に近くなる」ことに最初は人は親近感・好感を持つが、ある水準を超えると急に強い嫌悪感・気味の悪さを抱く心理現象のことだ。擬人化された動物のキャラクターはかわいらしいが、ろう人形館に並ぶリアルな人形は不気味に感じる人が多い。
ロボットがヒト型になり、動きも日々人間らしく進化している。ヒト型ロボットが大きな話題になり、ロボット自体に注目が集まるのは素晴らしいことだ。しかし、このままより「人間らしく」進化していけば、いずれは「不気味の谷」現象で「ロボットって気味が悪いよね」とのイメージを持たれかねない。
ロボットを双腕にし、顔の位置に顔っぽい可動式のカメラを付ける、この程度ならむしろ親近感を感じる人が多いだろう。現状の最先端のヒト型ロボットも、まだ不気味の谷には落ちていない。ここから先、どの方向に進化させるのか。
形状やサイズ、動作、音声などあらゆる面で「よりリアルなヒト型を目指す」より、ゆるキャラとまでは言わないが「どこかかわいらしい存在」を目指した方が良いのではないか。幸い、日本は「Kawaii(カワイイ)カルチャー」の発信源で、1970年代の特撮テレビドラマ「がんばれ!! ロボコン」の時代から「かわいいロボット」は日本のお家芸だ。
ロボットが人に与える心理的影響は無視できない。それも考慮した「かわいいロボット」が増えることを期待したい。
(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)
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