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会場速報

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プレゼン上手に人だかり/Mujin

 「知能ロボットコントローラ」などを手掛けるベンチャー企業のMujin(ムジン、B-38)は、ファクトリーオートメーション(FA)向けのシステム2種類を展示する。

 1つは、「PickWorker(ピックワーカー)パッケージ ~3DピッキングMujin標準セル~」だ。容器内に無造作に置かれたワークを取り出す「ばら積みピッキング」を簡単に実現する。
 もう1つはビジョンシステムと産業用ロボット、無人搬送車(AGV)を組み合わせた「複数品種ディスクローター ハンドカメラ バラ積み整列ロボット」だ。こちらには新製品の1000kg可搬のAGVを使い、工場内物流を意識した展示をする。

 また、正面のモニターではプレゼンテーションを実施。自動車部品工場で、加工機械への加工物の供給だけでなく、工場内搬送を完全自動化した事例などを紹介する。魅力的なプレゼンのたびに、多くの人だかりができている。

スカラロボットが目玉/ヤマハ発動機

ヤマハ発動機(D-46)は、主力製品のスカラロボットを中心に据えた展示を披露する。その中でも一番の目玉展示はスカラロボットとリニアコンベアモジュール「LCMR200」を組み合わせたデモだ。LCMR200は最高速度が毎秒2500mmと従来のコンベヤーよりも速く、前後両方向に動けるのが強みだ。ロボティクス事業部営業統括部FA営業部の高橋彬さんは「スカラロボットと組み合わせることでワーク(加工対象物)を高速でピッキング、搬送できる」と話す。

ARで目の前にロボットが/スギノマシン

産業機械メーカーのスギノマシン(富山県魚津市、杉野良暁社長、D-14)は、スイングアーム式コラムロボット「CRbシリーズ」をAR(拡張現実)で出展した。ブースのパネルに掲載しているQRコードをスマートフォンで読み込むと「CRb015V」や「CRb020H4」がARで表示される。RI事業部RI部の青木卓也技術課長は「ただ表示されるだけでなく実機のような動作もするため、製品のイメージがつかみやすい」と話す。CRb015Vは防水タイプで、同社製の洗浄機の内部に設置して使う。コンパクトだが動作範囲が広く、ワークの搬入出や洗浄、乾燥工程の自動化に適する。CRb020H4は加工機と洗浄機の間をガントリーローダーのように設置して使う。軽量なアームとリンク機構を組み合わせた独自構造で、高速な動作が可能。

自動車部品の技術がルーツ/NTN

機械商社の中央工機(名古屋市昭和区、箕浦康弘社長、B-14)のブース内で、NTNは手首関節モジュール「i-WRIST(アイリスト)」を出展する。アイリストは先端に装着するツールを変えることで、液剤の塗布や外観検査、洗浄などさまざまな用途に使える。産業用ロボットのようなアーム(腕)ではなく、人の手首のような動作に特化したロボットで、屈曲や旋回の角度を高速かつ自在に制御する。アクチュエータグループの古橋幸太さんは「そのような動きができるのは、同社が手掛けるドライブシャフトの技術を応用したから」と明かす。従来のロボットはティーチング(教示)する時に、制御上の特異点と配線ケーブルのねじれが原因の断線に注意がいる。アイリストは特異点がなく、関節の内側にケーブルを配線できるため、ねじれを気にすることなくティーチングできる。

自動化と加工精度を両立/安田工業

精密加工向けの工作機械を手掛ける安田工業(C-14)は、「目指すのは高精度なモノづくりの“自働化”」をテーマに出展。高橋章国内営業部長は「金属加工に携わる来場者も多く、自動化への関心の高さを感じる」と話す。「自動化したことで加工精度が落ちるようでは意味がない。ワーク交換の度にキャリブレーションを取るよう提案するが、機械の繰り返し精度の高さがあってこそ精度を維持できる」と力を込める。

機械と接続してローディング/FNS

機械メーカーのFNS(神戸市兵庫区、見島史郎社長、B-01)は、工作機械などの機械と連結してローディングできる可搬式台車ロボットシステム「RD510」を出展する。既存の機械に連結プレートを設置するだけで、マシニングセンタをはじめとした各種機械に接続できる。2点のエアチャックで台車と機械を接続し、位置精度は±3㎛と高精度。担当の見島大介さんは「本体部の幅が500mmなことに加え、協働ロボットを使っているため柵を用意する必要がなく省スペース」と話す。

ライン構築前に3Dでチェック/立花エレテック

技術商社の立花エレテック(B-03)は、「工場・まるごと・自動化」をテーマに自動車部品メーカーの大豊精機(愛知県豊田市、真野恭一社長)とコラボレーションした3Dシミュレーターを出展する。3Dで再現した機械設備を仮想空間に配置し、ロボットの導入時や生産ラインの新設、増設時に前もってレイアウトを確認できる。事前にシミュレーションすることで設備を実際に配置した後に修正が必要になる時間や費用のロスを抑えられる。

ロボット文化を根付かせるきっかけに/安川電機 小川昌寛 取締役専務執行役員 ロボット事業部長

安川電機(D-47)の小川昌寛専務執行役員は、「おかげさまで多くの来場者に来ていただいている。ロボットを購入して終わりではなく、問題解決につなげてもらいたい。産業用ロボットが製造現場に根付けば、日本の製造業がもう一度競争力を持つきっかけになるはず。展示会を通して、そういった考えに共感してもらえたら」と語った。

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