ロボット人材育成は地域で/次世代ロボットエンジニア支援機構特別セミナー
会期3日目の特別セミナー「ロボットでこんなことも!最新活用法」の2本目は、次世代ロボットエンジニア支援機構川節拓実代表理事による「地域のエンジニアが地域の子どもたちを育成する次世代エンジニア育成プログラム」。
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会期3日目の特別セミナー「ロボットでこんなことも!最新活用法」の2本目は、次世代ロボットエンジニア支援機構川節拓実代表理事による「地域のエンジニアが地域の子どもたちを育成する次世代エンジニア育成プログラム」。
ロボットの遠隔操作プラットフォームサービスを手掛けるリモートロボティクス(E8)は、ブース内からロボットを遠隔操作するデモを披露した。会場の豊電子工業(E5)のブース内のロボット3台と、会場外の2カ所で稼働するロボット2台を、1人の作業者が遠隔操作する。担当者は「外観検査システムで人工知能(AI)が判定し切れない場合などに、作業者に通知を送る。対応の優先度なども表示するよう設定できる」と説明する。
スターテクノ(E52)は、ファナックの垂直多関節ロボット3台や自社開発のシート材切断機などを使ったプラスチック段ボール箱の自動組み立てシステムを展示している。切断、折り込み、接着、組み立て、溶着の5つの工程を経て、1枚のプラスチックのシート材から段ボール箱が自動的に組み立てられる。ブースでは、段ボール箱ができるまでの一連の工程を見学できる。
ダイヘン(C04)は「シンクロフィード溶接システム」を搭載した溶接ロボットシステムなどを展示している。シンクロフィード溶接システムは、火花が飛び散る寸前で溶接ワイヤをタイミングよく出し入れすることで、スパッタ(溶接時に飛散する金属粒)の飛散を抑える技術だ。「中部地方は自動車産業が盛んなため、車の軽量化のために使われるアルミ材の薄板などの溶接をブースで実演している」とFAロボット事業部の足立明企画課長は語る。
オリエンタルモーター(C16)は、小型ロボット「OVRシリーズ」をブースに展示。新たに3軸の直交ロボットを開発した。「配線も少なく簡単に設置できるため、立ち上げ時間を短縮できる。OVRシリーズは垂直多関節ロボットや水平多関節(スカラ)ロボットの他にパラレルリンクロボットも開発中で、ユーザーの要望に合わせた提案ができれば」と担当者は説明する。
Mujin(ムジン、E02)グループのMujin Japanの荒瀬勇最高経営責任者(CEO)は「わが社では中部地域の売上比率が伸びており、今後一層この地域に力を入れる」と話す。今回展でも工場物流をテーマに国内初披露のシステムなどを展示し、新規顧客の開拓を目指す。「事前のコンサルティングから設備の設計、設置工事まで一貫して対応できるので、自動化を検討される際はぜひお声がけいただければ」(荒瀬CEO)。
トライエンジニアリング(E48)やイワタツール(E49)など8社が、切削加工用ロボットシステムの市場拡大を目指す研究団体「ロボット加工技術研究会」を会期初日の7月4日付で発足した。同日にはAichi Sky Expo(アイチ・スカイ・エキスポ)で記者会見を開き、研究会発足の狙いや今後の取り組みについて報道関係者らに発表した。
ベッコフオートメーション(C12)は、モジュール式のロボットシステム「ATRO(アトロ)」を展示している。関節軸などがモジュール構造となっており、各モジュールの組み合わせ次第で単軸から7軸までのロボットシステムを自由自在に構築できる。
ブラザー工業(E14)と三和ロボティクス(E15)は合同でブースを構え、ブラザー工業の小型5軸マシニングセンタ(MC)「U500Xd1-5AX」と三和ロボティクスのロボットシステム「NEXSRT(ネクサート) V16」を組み合わせた自動化システムを展示している。
愛知産業(E4)は、金属製ワーク(対象物)の自動研磨をブースで実演した。産業用ロボットでワークをつかみ、研磨ベルトに押し当てて研磨する。押し当てる圧力を一定にできるため、安定した品質で加工できる。