最先端を常にキャッチアップ、セル制御を新たな段階へ/安川電機 小川昌寛 社長
安川電機は、デジタルデータを収集・活用しながら生産システムを最適制御するコントローラーソリューション「iCube Control(アイキューブ・コントロール)」の提案に力を入れる。ロボット単体では「MOTOMAN NEXT(モートマンネクスト)」、装置やロボットを組み合わせたセル単位ではアイキューブ・コントロールの製品群で、次世代の自動化を提案する。「プログラマブル・ロジック・コントローラー(PLC)に代わる新たなソリューション。9月に米国で発表したところ好評で、国内でも積極的に提案する」と小川昌寛社長は話す。
AIでロボットが変わる
――まずは足元の景況感と、今年の見通しについて教えてください。
「先が見通しにくい」というのが正直なところです。2024年は景況の回復を期待していましたが、押し上げ要因とみられていた半導体産業と中国市場が思うように伸びませんでした。半導体は米国などで人工知能(AI)向けの需要がありましたが、半導体メーカーの投資計画の見直しが需要回復に水を差しました。中国も電気自動車(EV)向けや太陽光発電関連で投資がありましたが、その雲行きが怪しくなりそこまで上向きませんでした。
――その他の産業はどうでしょう。
日本では自動車産業の影響が大きいですが、その電動化の流れがどうなるのか、情勢がいろいろと変化しています。投資の判断が難しく、時期がずれ込んだり、内容が変化する部分はあるでしょう。しかしいずれにせよ、高い成長率でなくても「あるべき姿」に向けて動いていくのではないでしょうか。その他の市場も、今年は潜在的には良くなる要素がいくつもあると考えています。
――米国の状況は?
ドナルド・トランプ氏が再び大統領となりましたが、私はポジティブにとらえています。「アメリカファースト」の保護主義的な政策は、米国国内の産業の活性化につながる部分はあるでしょう。わが社は米国法人があり米国で生産もしていますので、関税の影響もそれほどはありません。
――御社は米国で、産業用ロボットの現地生産も検討しているとの話もありますが。
米国での取り組みは「どこでロボットを生産するか」といった単純な話ではありません。AIとロボティクスが組み合わさった「AIロボティクス」という概念がいま注目を浴びています。最先端を走っているのは米国でしょう。その動きに追従しやすいよう現地の体制を強化します。
――AIでロボットは大きく変わりますか。
AI業界の人から見れば、ロボティクスはAIの利活用に最適な領域です。AI側からロボティクスにアプローチする企業が増えて新たなアプリケーション(用途)やビジネスが生まれれば、ロボット産業のプレーヤーが大きく変化する可能性もあります。
――「モートマンネクスト」はAI活用を前提にしたロボットですね。
モートマンネクストはAIロボティクスに最適なロボットで、その象徴です。今はアーム型ですが、その形にこだわる必要はなく、ヒト型ロボットが事業として成立する時代が来れば、ヒト型もあり得ます。
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