協働ロボのフェア開催、自動化の次の一手を提案/ユニバーサルロボット
デンマークの協働ロボットメーカー、ユニバーサルロボット(UR、日本支社=東京都港区、山根剛代表)は7月30日と31日の2日間、愛知県刈谷市で「UR協働ロボットフェア2025」を開催した。山根剛代表は「今回は自動車産業の集積地である愛知県と福岡県の2拠点でフェアを開いた。協働ロボットを使った自動化の次の一手となるヒントを提供する場にしたい」とあいさつした。
サイクルタイムを短縮
UR日本支社は7月30日と31日の2日間、刈谷市の刈谷市産業振興センターあいおいホールで「UR協働ロボットフェア2025」を開催した。今年で3回目の開催となるフェア。今回は初の試みで2拠点で催し、全体で約1100人が来場した。
会場にはURの他、UR公認の周辺機器「UR+(プラス)」の認証を受けた周辺機器メーカーやシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)など20社がブースを構えた。セミナースペースではURや出展企業による講演も開かれた。
山根代表はあいさつで「協働ロボットを使った自動化の次の一手となるヒントを提供できれば」と期待を込めた。
また、山根代表は開会のあいさつと併せて、国内での新体制について触れた。URは日本に修理拠点のサービスハブと部品倉庫を新設し、サービス体制の強化を進めている。
山根代表は「日本で協働ロボットの導入台数が増えるにつれ、修理や保守部品の供給などの迅速な対応を求める声が強くなった。今後日本で市場を拡大する上でサービス体制の強化は必須」と力を込める。
URは展示ブースで新製品の協働ロボット「UR15」を使ったデモを紹介した。UR15の可搬質量は15kgで、非協働モードを選択した場合の最高速度は毎秒5mと高速動作が特徴だ。
デモではドアの形状検査の自動化を提案。UR15の高速性に加え、最適な動作パラメーターを自動で算出する新機能「OptiMove(オプティムーブ)」と組み合わせることで、検査工程のサイクルタイムを短縮できるとアピールした。
組み合わせて強みを生かす
ホイスト(巻き上げ機)やクレーンなどのマテリアルハンドリング機器を製造するキトー(山梨県昭和町、鬼頭芳雄社長)は、電動で荷物をつり上げて作業者の搬送作業をアシストする「電動チェーンバランサ」を使ったデモを披露した。協働ロボットがバランサーを操作することで、可搬質量以上のワークでも搬送できる。
国内営業本部セールスエンジニアリング部セールスエンジニアグループの小野仁マネージャー代理は「電動チェーンバランサの定格荷重は250kgまでをラインアップする。その範囲内であればロボットの可搬質量を問わずに重量物を搬送できるため、希望のリーチ長さでロボットを選定してもらえれば」と説明する。
(ロボットダイジェスト編集部 平川一理)