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2025.12.23
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[iREX2025展示リポートvol.2]「組み合わせ」で魅するSIer・商社

「2025国際ロボット展(iREX2025)」では「ロボットSIerゾーン」が東京ビッグサイトの西1ホールに設けられ、多数のシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)やロボット関連の技術商社がブースを構えた。各社は持ち前のエンジニアリング力を生かし、ロボットやさまざまな周辺機器を組み合わせた独自のデモシステムで来場者を魅了した。

桑崎厚史:ロボットダイジェスト編集部)

段ボール箱の組み立てからパレタイジングまで/スターテクノ

スターテクノはグループ会社とのシナジーを生かした大規模なデモシステムを展示

 スターテクノ(愛知県岩倉市、塩谷陽一社長)は段ボール箱の組み立てや搬送、パレタイジング(積み付け)などを自動化するデモシステムを展示し、来場者の関心を引いた。

 まず、自社製のロボットシステムで段ボールを平板から箱状に組み立てつつ、コンベヤーで段ボール箱を搬送。別のラインでは、ばら積みピッキングしたクリップ部品を小型ロボットで自動車の模型に組み付け、一回り小さい内箱に梱包する。そして、コンベヤーで運ばれた段ボール箱に自動車の模型が入った内箱を入れ、「ホットメルト」と呼ばれる接着技術で段ボール箱を封緘(ふうかん、封を閉じること)する。最終的にはグループ会社のスター精機(愛知県大口町、同社長)の直交ロボットシステム「ロボットパレタイザー」で、段ボール箱をパレタイジングしていく。スターテクノはグループ会社とのシナジー(相乗効果)を生かしながら、これら一連の作業工程を完全自動化する大規模なデモを実演した。

研磨の自動化を提案/TECHNO REACH

iREX2025が初出展となったTECHNO REACH

 ロボットのメンテナンスなどを得意とするSIerのTECHNO REACH(テクノリーチ、愛知県長久手市、加藤正己社長)はiREX2025に初出展し、研磨作業を自動化するロボットシステムを提案した。ファナックの垂直多関節ロボットが台湾のDSテクノロジーの研磨用ツールにワーク(被加工物)を押し当て、ワークの表面を研磨するデモを披露した。

 経営企画室長の武藤竜比虎執行役員は「わが社は溶接向けのロボットシステムを最も得意としており、研磨作業は溶接の後工程に欠かせない。研磨作業は人手に依存する部分が大きいだけに、わが社の技術をアピールするチャンスでもある」と述べる。

米国製の小回りの利くAMR/三機

三機は米国のベア・ロボティクスのAMR「Carti 100」を出展

 技術商社の三機(名古屋市熱田区、木島正人社長)は、韓国のLGエレクトロニクス傘下で米国に本社を置く自律走行型搬送ロボット(AMR)メーカーのベア・ロボティクスのAMR「Carti(カーティ) 100」を出展した。

 ベア・ロボティクスのカーティ100は100kg可搬ながら、本体サイズがコンパクトなのが特徴だ。搬送物を置く棚がコンベヤー式になっている機種もラインアップされており、製造現場でも扱いやすい。日本法人のベア・ロボティクス・ジャパン(東京都渋谷区、ヴィンセント・リー代表)の大塚真央シニアチャネルパートナーシップマネージャーは「ベア・ロボティクスは2024年に日本法人を立ち上げ、日本への進出も果たした。米国製の小回りの利くAMRを日本のお客さまにも広くPRしたい」と話す。

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