3年ぶりの自社展で多数の新提案/ファナック
工作機械との組み合わせ
同社は工作機械やその制御装置のメーカーでもあるため、工作機械とロボットを組み合わせた展示も多かった。
特に注目を集めたのが、協働ロボット「CRX-10iA/L」で旋盤のワークをローディングするシステムだ。通常、工作機械へのワークのローディングでは精密な位置決めが必要になる。これを力覚制御により、多少の位置ずれ、姿勢ずれがあっても問題なくローディングできるようにした。
ロボットが持ったワークを旋盤用のチャック(ワーク固定器具)に受け渡す際、ワークの端面とチャック底面がフィットするようにロボットがワークの姿勢を修正。チャックの爪が閉じる動作に合わせて、ワークの位置も調整する。人が作業する時と同様に、現物合わせで適切なローディングが可能だ。
他にも、既設の工作機械に改造なしで簡単に後付けできるロボットシステムも提案した。機械に貼ったマーカーをビジョンセンサーで読み込み、ロボットの設置位置がずれていても自動で補正して作業する。ロボットを台車に載せて、必要な時のみ機械の前に設置するなど、フレキシブルな運用に適したソリューションだ。
「新製品『CRX-20iA/L』の20kgの可搬質量を生かし、アーム先端にハンドを2つ付けたダブルハンド仕様にした。片方のハンドで加工後のワークを回収し、そのままもう片方のハンドで加工前のワークを取り付けられ、作業時間を短縮できる」(安部健一郎常務執行役員)
その他、小型切削加工機「ロボドリル」やワイヤ放電加工機「ロボカット」の展示でもロボットとの組み合わせを提案した。
今回の新商品発表展示会で展示したシステムの一部は、6月7日から都内で開かれる国際食品工業展「FOOMA JAPAN(フーマジャパン)2022」や、6月30日から愛知県で開かれるロボット・自動化技術の専門展「ロボットテクノロジージャパン」などでも披露される見通しだ。
(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)
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