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2025.10.06
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世界のロボット需要が10年で2倍に/国際ロボット連盟

 

 国際ロボット連盟(IFR、伊藤孝幸会長〈ファナック技監〉)は9月25日、2024年の世界の産業用ロボット導入台数が54万2000台となり、過去10年で2倍以上に拡大したと発表した。年間導入台数が50万台を超えるのは4年連続となる。また、世界で稼働中のロボット総数は466万台(前年比9%増)に達した。

 IFRの伊藤会長は「多くの産業がデジタル・自動化時代へ移行する中、ロボットの需要が急拡大している。長期的な成長基調は変わらない」とコメントした。

拡大続く中国、日本はわずかに減少

 世界の年間導入台数の74%をアジアが占めた。中でも中国は過去最高の29万5000台を導入し、世界市場の54%を占めて最大市場を維持した。中国では国内メーカーのシェアが57%と初めて過半を超え、稼働台数は200万台を突破。28年まで年平均10%成長が見込まれる。

 日本は前年比4%減の4万4500台で世界第2位を維持。稼働台数は同3%増の45万500台となった。韓国は同3%減の3万600台で、19年以降横ばい傾向が続く。インドは同7%増の9100台で世界第6位に浮上した。インド市場は自動車産業がけん引しており、市場の45%を占める。

中国では国内メーカーのシェアが初めて過半を超えた
2024年の産業用ロボット導入台数トップ10

欧州は高水準維持、米州はやや減速

 欧州の導入台数は世界シェアの16%を占め、同8%減の8万5000台で過去2番目の高水準を維持した。ドイツは同5%減の2万6982台で欧州最大と世界第5位の市場規模を維持。以下はイタリア(8783台)、スペイン(5100台)が続いた。英国は前年の税制優遇策の終了に伴い同35%減の2500台と大幅に減少した。

 米州は世界シェア9%、同10%減の5万100台で、4年連続で5万台を超えた。米国は同9%減の3万4200台で米州の68%を占めた。自国でのロボット製造は限定的で、主に日本や欧州から輸入している。

2025年は6%増を見込む

2025年の世界全体のロボット導入台数は前年比6%増を見込む

 業界別では、電子機器・金属加工などの一般産業分野が自動車産業の弱さを補完するかたちで成長基調にある。サービスロボット分野では、業務用が同9%増の19万9000台、医療用が同91%増の1万6700台となるなど、全カテゴリーで成長を記録した。

 また、労働力不足への対応や新たな事業分野の開拓、RaaS(ロボット・アズ・ア・サービス)モデルの普及など、市場の多様化も進んでいる。

 IFRは、25年の世界全体のロボット導入台数を前年比6%増の57万5000台、28年には70万台を突破する見通しを示した。地政学的リスクや貿易摩擦などの課題はあるとしつつも、「長期的な成長トレンドは揺るがない」との見方を強調した。

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