米国でロボット活用の量も質も幅も広がる/IMTS2026
米国を中心に北米で設備投資が活況に沸いている。9月14日~19日の6日間、米国イリノイ州シカゴ市のマコーミック・プレースで開かれた「IMTS(米国国際製造技術展=シカゴショー)2026」も前回展を超える9万1295人が来場した。深刻な人手不足から、加工設備に自動化システムを付帯するのが必須の状況だ。また、人工知能(AI)の一種の「フィジカルAI」で自動化システムがより高度になり始めた。さらには、産業用ロボットを加工に直接使う提案も広がっている。
(西塚将喜:ロボットダイジェスト編集部)
11兆ドルもの計画
「シカゴショー」とも呼ばれるIMTSは、世界4大工作機械見本市の一つにも数えられる大規模な展示会だ。今回展には1788社・団体が出展し、9万1295人が来場した。
歴史的な好機――IMTSを主催する米国製造技術工業協会(AMT)のダグラス・ウッズ専務理事は今回展をそう語った。
米国内では設備投資の足かせとなりやすい高金利が続くが、市況は力強い。AMTによると、工作機械や関連設備の受注額は2026年8月までの累計で前年同期比36.9%増の47億5670万ドル(約7468億円、1ドル=157円換算)を記録している。
主に3つの観点から設備投資への追い風が吹いている。
足元の工場稼働率も高水準だ。米国商務省国勢調査局(US Census Bureau<USセンサスビューロー>)の四半期工場稼働率調査では、26年第1四半期(1~3月)の製造業全体では75.5%、第2四半期(4~6月)も同78.5%となった。
定期修繕や段取り替え作業、トラブルなどによる設備の停止時間を加味すると、実質的な限界ラインは80%程度で、残り20%は「机上の稼働率」とされる。今は限界に近い数値で高止まりしている。
そのような状況下で、生産現場は深刻な人手不足に悩まされている。AMTは現在、40万人超が不足していると見立てる。
そこで、会場でも、各社が省人化につながる自動化や工程集約を提案した。
「フィジカルAI」を各社が
特に、この1年ほどは現実世界を認知して機器類を制御する「フィジカルAI」が話題になった。会場でもIT大手などがアピールした。
グーグルはグループ企業のイントリンジック(Intrinsic)のAIロボティクス基盤「Intrinsic Flow(イントリンジックフロー)」を紹介した。同基盤を使うと、さまざまなメーカーのロボットで、AIによる視覚認識機能やタスクの割り振りを実施できる。
会場では、教示なしでピック&プレースするヒューマノイド(ヒト型)ロボットを展示した。
アマゾンウェブサービス(AWS)は巨大なブースで出展した。
来場者が組み合わせを選んだラゲッジタグ(スーツケースなどに付ける名札)を組み立てて提供するロボット群などが注目を集めた。フィジカルAIなどを駆使してプログラムなしで複数の協働ロボットや自律搬送ロボット(AMR)などが連携しているという。

