2020.09.25
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2019年の世界の産ロボ新規導入は37万台。日本は導入台数2位/国際ロボット連盟

 国際ロボット連盟(IFR)は9月24日、2019年の産業用ロボットの導入実績を台数ベースで発表した。同年には世界で37万3000台が新たに導入された。前年比12%減だったものの、過去3番目の高水準を記録した。

2019年の導入台数トップ15カ国。日本は2番目

 国別で見ると、19年の導入台数のトップは中国で、前年比9%減の14万500台。次いで日本が同10%減の4万4900台となった。4位に韓国も名を連ねるなど、アジアでの新規導入は21万台で世界全体の約6割を占めた。

この10年間の世界で稼働する産業用ロボット台数の推計

 IFRの推計によると、工場内で稼働する産業用ロボットの台数は14年と比べて85%増の270万台で、史上最多となった。

 ミルトン・ゲリー会長(シュンク米国法人社長)は「自動化やデジタル技術による工場のスマート化といった顧客ニーズにけん引され、この5年でロボットが急速に普及した。19年の12%減は主要顧客である自動車や電気・電子分野の落ち込みが響いた」と分析する。

 20年は新型コロナウイルスの感染拡大により、いち早くコロナ禍を脱しつつある中国を除けば、受注で大きな打撃を受けると見通す。ゲリー会長は「今年は大きな受注額は見通せない。21年には回復し始めるが、感染拡大前の水準まで回復するのは22年か23年になる」と予測する。

2017年以降の産業用ロボットの新規導入台数に占める協働ロボットの割合

 またIFRは協働ロボットにも注目しており、19年は産業用ロボット全体では前年比で減少したが、協働ロボットだけで見ると前年比11%増の1万8000台が導入された。協働ロボットを製造、販売する供給企業が増え、具体的な用途(アプリケーション)も広がった。IFRは今後も市場が伸長するとみる。

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