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2023.02.08

若年層にロボットの魅力を伝えるイベント開催/FA・ロボットシステムインテグレータ協会

FA・ロボットシステムインテグレータ協会(SIer協会、会長・久保田和雄三明機工社長)は1月27日と28日の2日間、大阪市北区にある大阪工業大学梅田キャンパスで、高校生や大学生など若年層を対象とする二つのイベントを開催した。27、28日には主に大学生向けに、システムインテグレーター(SIer、エスアイアー)のビジネスを紹介する展示会「RIX(リックス) in 大阪工業大学 2023」を開催。28日には全国の高校生や高等専門学校生(高専生)がロボット活用のアイデアを競う「2022年度ロボットアイデア甲子園 全国大会」を開催し、時折雪がちらつく天候ながら、熱のこもったプレゼンテーションが繰り広げられた。

大学でSIerビジネスをPR

基調講演で「研究とビジネスでは、かける時間への意識が大きく異なる」と語った野田哲男教授

 ロボットアイデア甲子園の開催に先立つ1月27日、大阪工業大学の1階ギャラリーで、「RIX(リックス) in 大阪工業大学 2023」が開幕した。リックスはSIerのビジネスを大学生に広く知ってもらうための展示会で、今回が初開催。大学生に加え、ロボットアイデア甲子園のために来校する高校生、繁華街にある立地から一般の来場者もあった。

 開会あいさつには、リックスとロボットアイデア甲子園の実行委員長を務める名倉慎太郎SIer協会広報分科会主査(日本設計工業社長)が登壇し、「学生の皆さんが研究するロボット技術がどう生かされているかを見て、進路の参考にしてほしい」と語った。また、初日はリックスを企画した同大学の野田哲男教授による基調講演や出展者によるプレゼンテーションを実施。野田教授は講演で「顧客はロボット単体ではなく、ロボットシステムでもなく、ソリューションを求めている。大学生にビジネスを知ってもらい、何を学ぶべきなのかを思い出してもらいたい」と訴えた。

12社が特色ある展示

 リックスに出展した12社のSIerのうち、10社が実機を出展。それぞれの強みを前面に押し出しPRに努めた。
 HCI(大阪府泉大津市、奥山浩司社長)は自律走行型の配膳ロボットで会場パンフレットを配布。人の流れが不規則な会場でも巧みに避けて走行する様子が来場者の興味を引いた。
 高丸工業(兵庫県西宮市、高丸正社長)は、汚れた10円玉を研磨機の機内に設置した小型ロボットでハンドリングし、粒状の研磨剤を吹き付けて研磨するシステムを紹介した。「これは『凹凸のあるものの研磨をしたい』とのニーズに対するソリューションの一例。就職先としてSIerにも興味を持ってもらえたら」と高丸社長は話す。
 リョーサンは、紙コップを勢いよくハンドリングしても波々に注いだ液体がこぼれないシステムを披露。学生がロボットのリモコンとなるスマホを動かしたり傾けたりしてこぼそうと試みたが、こぼれることはなく、システムの完成度に驚いていた。

  • 来場者の中には、ロボットに興味津々な子どもも

  • ロボットシステムの説明に耳を傾ける大学生

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