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2020.11.26

インタビュー

人材・技術・環境、ロボ普及へ施策出そろう【その3】/経済産業省 石井孝裕ロボット政策室長

2019年に政府の有識者会議がまとめた「ロボットによる社会変革推進計画」。そこで示された施策が本格的に動き始めている。「その1」「その2」では、ロボットフレンドリーな環境を実現するための施策や、人材の確保・育成に向けた取り組みを紹介した。「その3」では、技術研究組合産業用ロボット次世代基礎技術研究機構(略称ROBOCIP=ロボシップ)の研究開発プロジェクトや、施策の四つ目の方向性である「社会実装を加速するオープンイノベーション」について話を聞いた。

メーカー同士や産学も連携

ROBOCIPのニュースリリース「国立研究開発法人 新エネルギー ・ 産業技術総合開発機構(NEDO)『革新的ロボット研究開発基盤構築事業」』公募への当組合事業採択のお知らせ」より引用

――前回、ROBOCIPが設立され、同機構が新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の研究開発事業に採択されたことをうかがいました「その2」の記事はこちらから。採択されたのはどのようなプロジェクトですか?

 NEDOの研究開発事業として、「産業用ロボットの機能向上・導入容易化のための産学連携による基礎技術研究」のテーマで採択されました。この中で、産業用ロボットに関する汎用的なハンドリング技術やロボット動作生成技術、5G(次世代移動通信規格)通信などに対応した遠隔制御技術を可能とする信号伝達技術、ロボットの軽量化を実現する新素材技術、ロボットへのセンサー実装技術に関する基礎研究について、産学が連携して取り組んでいくこととしています。

「基礎技術の研究開発には大学などの研究シーズが不可欠」と話す石井室長

――研究開発の体制は?
 こうした基礎技術の研究開発には大学などの研究シーズが不可欠であり、9つの大学と産業技術総合研究所(産総研)も参画します。以前FA・ロボットシステムインテグレータ協会(SIer協会)の久保田和雄会長(三明機工社長)と対談した際に、「1~2年後など近い将来のことでは競争し、10~20年後といった遠い将来に向けて協調するというのが一つの在り方」とお話ししましたその時の対談記事はこちらから。その考えが形になったのがROBOCIPだと思っています。イノベーションを生み出すには、従来のロボティクス研究者のみならず、人工知能(AI)や統計、心理学、位相幾何学(トポロジー)などさまざまな学術界との連携も重要になります。産業界と学術界とが連携し、さまざまな技術を社会実装できる環境整備も必要になるでしょう。

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