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2022.10.20

21年の世界の産ロボ新規導入は50万台、過去最高を記録/国際ロボット連盟

国際ロボット連盟(IFR)は10月23日、2021年の産業用ロボットの導入実績を台数ベースで発表した。世界でのロボット導入台数は前年比31%増の51万7385台。新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)前の18年の記録を22%上回り、過去最高を記録した。

日本は2位を維持、輸出は過去最高水準

2021年の導入台数トップ15カ国。日本は2位で4万7182台。

 国別で見ると、導入台数のトップは中国で、前年比51%増の26万8195台。中国国内の工場で稼働する産業用ロボットの台数は、同27%増で100万台の大台を突破した。高い成長率から、同国におけるロボット化のスピードの速さが読み取れる。

 日本は前年比22%増の4万7182台で、中国に次いで2位を維持。工場内で稼働する産業用ロボットの台数は同5%増の39万3326台となった。18年以降2年連続で主要産業における新規のロボット導入台数が減少していたが、21年に再び増加に転じた。また、日本の産業用ロボットの輸出は18万6102台で過去最高レベルに達し、世界有数の生産国としての強さも示した。
 
 3位は米国で、前年比14%増の3万4987台。ピーク時の18年水準(4万373台)には及ばなかったが、衛生的観点や自動化需要などから、コロナ禍でロボット需要が増加した。
 
 4位には韓国がつけ、前年比2%増の3万800台を記録した。地域別では、全世界の新規導入数のうち74%をアジアが占め、依然として最大の産業用ロボット市場としての強さを見せた。

受注は好調、22年は10%の伸び

 IFRは22年の産業用ロボットの見通しも発表した。世界的に受注は好調で、IFRのマリーナ・ビル会長は「ロボットと自動化の利用は、息をのむような速さで広がっている」とコメント。22年には、世界のロボット導入数は前年比10%増の57万台に達すると見込む。一方で、21年に起こったパンデミック後の好景気は、22年にはフェードアウトすると予想。22年から25年にかけての年間成長率は、1桁台半ばから後半になると予測した。

  • 産業用ロボット年間導入台数 2016年~2021年、2022年~2025年(予測)の推移

  • 世界全体の業種別のロボットの導入台数。すべての業種で20年を上回った。

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