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2022.11.07

イベント

海外協働ロボットや樹脂部品など出展【前編】/ジャパン・ロボット・ウィーク

10月19日~21日の3日間、都内の東京ビッグサイト西ホールで「ジャパン・ロボット・ウィーク2022」が開かれた。洗浄総合展や先端材料技術展、表面改質展など7つの専門展を同時開催するイベントで、同時開催展と合わせ、3日間合計で3万6852人が来場した。海外ロボットベンチャー企業や周辺機器メーカーなどがジャパン・ロボット・ウィークのエリアに出展した。

7つのシステムで多彩な使い方/Elite Robot

 ジャパン・ロボット・ウィークでは国内の大手ロボットメーカーの出展はなかったが、海外のロボットベンチャー企業やその代理店が出展し、注目を集めた。

Elite Robot JapanはAMRにアームを搭載したシステムを展示

 その一つが中国の協働ロボットメーカーElite Robot(エリートロボット)だ。同社は今年6月に日本法人Elite Robot Japan(エリート・ロボット・ジャパン、名古屋市中区、チン・ギョウセイ社長)を設立し、日本市場の開拓に注力する。
 会場では7つのシステムを展示。自律移動型搬送ロボット(AMR)へのロボットアームの搭載や、画像処理システムとの連携、力センサーを使った曲面の研磨作業、シーリング作業、ねじ締めなど、ロボットの多彩な使い方を紹介した。
 「まずは商社などのパートナーづくりに力を入れており、今回の展示システムもパートナーと一緒に構築した。パートナーと共に日本市場で成長していきたい」とチン社長は話す。

ミカサ商事は画像処理システムと協働ロボと組み合わせた

 同社のパートナーの1社、ミカサ商事(大阪市中央区、中西日出喜社長)は、エリートロボットのブース内で画像処理技術を活用したシステムを構築。サイコロを出目に応じて所定の位置に置くデモを披露した。
 同社は電子デバイスの販売をメインとする商社で、東京支社を中心にプロジェクトチームを発足してロボット事業に取り組み始めた。「人工知能(AI)や画像処理システムのノウハウはあり、そうした強みを生かし『AIの目利き』としてロボット事業を展開できれば」とプロジェクトのリーダーも務める山本大輔東京支店長は言う。

コンパクトで安価な産業用/TechShare

TechShareはDOBOTのMG400を多数展示した

 中国のロボットメーカーDOBOT(ドゥーボット)の正規代理店TechShare(テックシェア、東京都江東区、重光貴明社長)は、小型の産業用ロボット「MG400」を中心に紹介した。MG400は、教育用ロボット「DOBOT Magician(ドゥーボットマジシャン)」をベースに産業用ロボットとしてブラッシュアップした4軸制御のロボットだ。本体重量は8kgで、最大リーチ長は440mm、最大可搬質量は750g。
 ブースでは、産業用ロボットならではの多彩な作業を提案した。柔軟性のあるソフトグリッパーや、筒状のものを内側から把持する内径グリッパー、凹凸のある物も吸着できるバルーンハンドなどを取り付け、箱やパイプのような形状、袋に入った不定形物の搬送などを披露した。
 本体の販売価格は30万円強で「高価な産業用ロボットを入れるほどでもないちょっとした作業の補助には最適。19cmx19cmの小さなスペースで設置できる点が好評で、引き合いは多い」と宮島健DOBOTプロダクトマネージャーは話す。
 昨年開設した都内のショールームに加え、今年7月からは新たに名古屋にも営業所併設のショールームを開設し、販売拡大を加速させたい考えだ。

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