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2022.09.28

[進化する物流vol.6]最先端が一堂に、国際物流総合展リポート【その3】

9月13日~16日の4日間、都内の東京ビッグサイトでアジア最大級の物流専門展「国際物流総合展2022」が開かれた。526社・2597小間と過去最大規模で開催され、6万人超が来場した。国際物流総合展リポートの「その3」では、パレット(荷役台)の上に段ボール箱などを積み下ろすパレタイズ・デパレタイズ用のシステムを紹介する。

低天井タイプの新製品を発表/ユーシン精機

パレタイジングロボット市場の開拓に注力するユーシン精機の小谷高代社長

 ロボットが使われる代表的な物流作業の一つが、パレタイズ・デパレタイズだ。ロボットアームが荷物を持ちあげ、パレットに荷物を積み降ろす。パレタイズ用ロボットの開発は活発で、複数の企業が新製品を投入する。
 樹脂の成形品を取り出す取り出しロボットで世界トップシェアを誇るユーシン精機も、2020年にパレタイジングロボット「PAシリーズ」を発売し、同市場の開拓に力を入れる。取り出しロボット同様の直交構造のロボットだ。
 「PAシリーズなら、垂直多関節ロボットよりも省スペースでシステムを構築できる。一般的なガントリー(直交)構造よりも柱が少なく、レイアウトの自由度は高い」と小谷高代社長は言う。

国際物流総合展で初披露した低天井タイプ

 今回展では新たに、低天井タイプを発表した。従来のPAシリーズは、荷物を高く持ち上げた時に垂直方向の軸が上に飛び出す構造で、40kg可搬の「PA-40」で天井の高さが4300mm以上は必要だった。一方、低天井タイプ「PA-50LC」ではPA-40同等の1800mmの垂直ストロークを確保しながら、天井高さ3000mmから設置できる。可搬質量はシリーズ最大の50kgだ。
 「日本では天井が低い物流現場も多く、天井が高くない場所でも使えるロボットが欲しいとの要望が多かった。最適な加減速制御や構造シミュレーションで高速動作をしながらも振動を抑制するなど、取り出しロボットで培ったノウハウを生かした製品」と小谷社長は自信を見せる。

協働ロボと機器・ソフトをパッケージ提案/住友商事マシネックス

住友商事マシネックスは、ドゥーサンロボティクスの協働ロボットをパレタイズ用途などに提案

 住友商事マシネックス(東京都千代田区、山名宗社長)は、2019年から国内販売を始めた韓国の斗山(ドゥーサン)ロボティクスの協働ロボットを使い、物流向けの用途を複数提案した。
 パレットに箱を積み降ろすパレタイジングの用途では、デンマークに本社を置くオンロボット(日本法人=東京都渋谷区、鈴木孝代表)のパッケージシステム「Palletizer(パレタイザー)」と組み合わせた。

 パレタイザーは協働ロボット用の製品。パレタイジングに適したロボットハンドや、ロボットを上下させる昇降機「Lift(リフト)100」などの周辺機器と制御ソフトウエアを一式にした。
 各社の協働ロボットと組み合わせられるが、ドゥーサンロボティクスの最大機種は可搬質量が25kgと力強く、リーチ長も1500mmと長い。住友商事マシネックスの担当者は「協働ロボットの中でも力強くてリーチも長いため、オンロボットのパレタイザーとの相性が良い」とアピールする。

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