[2023国際ロボット展リポートvol.13]協働ロボットの普及はまだまだ“初期段階”/ユニバーサルロボット ステイシー・モーザーCCO
高可搬の協働ロボット市場は急成長
――昨年発表した20kg可搬のUR20に続き、今回展では30kg可搬のUR30を発表されました。
可搬質量の大きい協働ロボットの市場は急速に伸びています。UR20も市場にスムーズに受け入れられ、今では最もよく売れている製品です。パレタイジングや溶接などさまざまなアプリケーションに使われています。そして今回展に合わせて、30kg可搬のUR30を世界で同時発売しました。他社製品では重い物を持った際は姿勢に制約が生じるものもありますが、UR30は姿勢に制限なくアームが伸び切った状態でも可搬質量ぎりぎりの重量物を扱えます。
――UR20では新たな機構を採用し、UR30もその機構を引き継いでいます。
関節部分はより堅牢(けんろう)になり、関節と関節をつなぐチューブ(円筒)部材はテーパー(先細り)形状にして剛性を高めました。非常に軽量のため、最初に導入した工程とは別の場所で使う再配置などもしやすいです。また、UR30はコンパクトなことも特徴の一つです。他社では可搬質量が大きくなるとアーム自体も大きくなりがちですが、UR30の場合はコンパクトで狭い場所でも使いやすいことも差別化の一つと考えています。
――想定する用途には何がありますか?
重量物のパレタイジングや高トルクのねじ締めなどさまざまあります。先ほどハードウエアの話をしましたが、ソフトウエアでも差別化を図っており、例えば高トルクねじ締めでは他社にない機能「ステディーモード」が活用できます。
――それはどういった機能ですか?
協働ロボットでは通常、外力を受けると保護停止状態になり稼働が止まってしまいます。高トルクのねじ締め機でねじ締めをすると、締め終わった時の反力がロボット側に加わるため、安全機能を一時的に切らなければねじ締めができません。ステディーモードは、この反力を受け流すことで、安全機能を維持したまま高トルクねじ締めを可能にします。
――高トルクねじ締めはUR30の特徴を特に生かせる用途の一つと言えますね。
その他にも、適した用途は無数にあると思います。新しい製品が出れば、エコシステムの中で新たなアプリケーションやソリューションが多数開発されます。これにより、協働ロボットの市場はさらに伸びていきます。
――軽量でコンパクトという特徴は、自律走行型搬送ロボット(AMR)への搭載にも適していそうです。
そうですね、それもUR30に適した用途の一つです。UR30に限らず、われわれもAMR搭載型の協働ロボットシステムには力を入れていきます。われわれと同じテラダイン(世界最大手の電子部品の自動試験装置メーカー)グループの1社にAMRメーカーのモバイル・インダストリアル・ロボット(MiR)があり、MiRのAMRとURの協働ロボットを組み合わせることもできます。こうした移動型のロボットはこれからの10年間で、協働ロボット全体の20%を占めるようになると言われています。物を運ぶなど反復的な作業の自動化を推進することで、人はもっとクリエイティブな作業や、新しいスキルを習得することに労力を割けるようになります。
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