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2026.03.02
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AI&ロボティクスの最新情報をイベントで発信/菱洋エレクトロ、リョーサン

菱洋エレクトロ(東京都中央区、中村守孝社長)とリョーサン(東京都千代田区、稲葉和彦社長)は2月13日、都内で人工知能(AI)とロボティクスをテーマにしたイベント「ロボットが自分で学ぶ未来を体験 ~実機と仮想環境が融合する次世代のロボット技術~」を開催した。米国に本社を置くNVIDIA(エヌビディア)や中国のヒューマノイド(ヒト型)ロボットメーカーのAgibot(Agiボット)イノベーションテクノロジー、東京大学の松尾・岩澤研究室発のスタートアップ企業のProx Industries(プロックスインダストリーズ、東京都文京区、亀井悠二社長)などが登壇し、参加者に最新情報を共有した。

(曽根勇也:ロボットダイジェスト編集デスク

注目企業が次々に登壇

主催者あいさつの中で新サービス「デジタルツイン導入支援サービス」を紹介した菱洋エレクトロの青木良行執行役員

 リョーサンと菱洋エレクトロはともにリョーサン菱洋ホールディングス傘下の商社だ。リョーサンはドイツFranka Robotics(フランカロボティクス)や中国Dobot Robotics(ドゥーボットロボティクス)の協働ロボットを国内で販売する。菱洋エレクトロはエヌビディアの代理店でAI用の処理装置などを販売する。

 今回のイベントでは、両社の製品・サービスの紹介は最小限にとどめ、4組の登壇者による情報提供をメインに据えた。

エヌビディアのソリューションを紹介する同社の澤井理紀テクニカルマーケティングマネージャー

 セッション1で登壇したのはエヌビディア日本法人(東京都港区、大崎真孝社長)の澤井理紀テクニカルマーケティングマネージャーで、「産業デジタル化の変革を加速するフィジカルAI」をテーマに講演した。AI発展の歴史や近年注目を浴びるフィジカルAIの概要に加え、正確なシミュレーションを可能にする3D開発プラットフォーム「NVIDIA Omniverse(オムニバース)」など同社のソリューションを紹介した。

 続いてセッション2ではAgiBotの張赫東アジア事業本部長が登壇。2024年9月に4000㎡を超えるAI学習用データ収集工場を中国・上海に設立したことや、25年12月に同社のヒューマノイドの出荷台数が累計5200台を突破したことなどを紹介した。また、実機によるダンスのデモを披露し、滑らかな動きに多くの参加者が見入った。

 セッション3では技術商社の理経から、次世代事業開発部を統括する石川大樹執行役員と同部署の九冨陽介テクニカルアーティストが講演した。石川執行役員はエヌビディアのシミュレーション環境「Isaac Sim(アイザックシム)」でAI学習させた動きを現実世界へ適用するための「Sim2Real(シム・トゥー・リアル)」技術を紹介。技術者の九冨テクニカルアーティストは、ファイル形式の変換などSim2Realの手順をより具体的に説明した。

セミナー会場の隣の展示会場でダンスを踊るAgibotのヒューマノイドロボット
理経はバーチャル空間と現実空間との動作ギャップを埋める技術などを紹介
双腕ロボットが布を畳むプロックスインダストリーズの展示システム

 最後のセッション4ではプロックスインダストリーズの手塚巧翔氏や野田雅貴最高研究責任者(CRO)が登壇。米国のフィジカルインテリジェンスが開発した視覚言語行動モデル「pi0.5(パイ・ゼロ・ポイント・ファイブ)」を活用してフランカロボティクスの双腕ロボットを制御し、布を畳む技術を研究していることなどを紹介した。

 セミナー会場と隣接して展示会場も設けられ、登壇した各企業のデモシステムや、菱洋エレクトロ・リョーサンのデモシステムなどが展示された。
 各展示の前には大きな人だかりができ、特にリョーサンが扱うドゥーボットの協働ロボットと、菱洋エレクトロが扱う5本指ロボットハンドの組み合わせは大きな注目を集めた。センサーが付いた手袋を装着して指を動かすと、5本指ハンドが連動するシステムだ。2爪グリッパーでは把持が安定しにくい複雑形状の物も器用に持つことができた。

 リョーサンと菱洋エレクトロは、リョーサンを存続会社として26年4月に合併予定。リョーサン菱洋に改称し、両社のシナジーを生かしてAIロボティクスの提案に一層注力する方針だ。

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