20年の世界の産ロボ新規導入は38万台、コロナ禍でも中国好調/国際ロボット連盟
国際ロボット連盟(IFR)は10月28日、2020年の産業用ロボットの導入実績を台数ベースで発表した。新型コロナウイルス感染症が拡大したが、世界規模のロボット導入台数は前年比0.5%増の38万4000台となった。2017年、18年に続き、過去3番目の高水準を記録した。
日本は2年連続減少
国別で見ると、導入台数のトップは中国で、前年比20%増の16万8400台。1カ国あたりの導入台数で、過去最高を記録した。工場内で稼働する産業用ロボットの台数は、同21%増の94万3223台となった。これらの高い成長率から、中国ではロボット化が急速に進んでいることが読み取れる。
日本は2位で、同23%減の3万8653台だった。新型コロナウイルス禍の打撃を受け、過去最高を記録した18年の5万5240台から2年連続して減少した。中国とは対照的に、電子や自動車産業からの需要が低調だった。工場内で稼働する産業用ロボットの台数は、前年比5%増の37万4000台となった。
3位は米国で、同8%減の3万800台。4位には韓国がつけ、同7%減の3万506台となった。上位にはアジア勢が多くランクインし、アジアでの新規導入台数は、全体の7割を超えた。
21年は大幅に回復、日本のロボ導入台数は7%の伸び
IFRは、21年の産業用ロボットの見通しも発表した。「世界のロボット導入は大幅に回復し、21年には前年比13%増の43万5000台に上るだろう」とIFRのミルトン・ゲリー会長(シュンク米国法人社長)は予測する。地域別の内訳では、北米は同17%増の4万3000台、欧州は8%増の約7万3000台、アジアは15%増の30万台超えになると見込む。
日本についても言及しており、現在、日本のロボットと自動化技術の輸出先は、中国が全体の36%、米国が全体の22%を占める。こうした輸出先が日本のロボット需要を支えているという。IFRは、輸出も含めた日本のロボット市場の成長率は21年に7%、22年には5%伸びると予想する。
同じ企業の記事
>>[創刊特別インタビュー]10年後が楽しみ/国際ロボット連盟津田純嗣会長
>>世界の産ロボ販売台数がこの5年で2倍に/国際ロボット連盟
>>ブレグジット問題を抱える英国でロボット導入が停滞/国際ロボット連盟
>>2019年の世界の産ロボ新規導入は37万台。日本は導入台数2位/国際ロボット連盟
>>過去最高を更新、2018年の世界のロボット販売額/国際ロボット連盟
>>従業員1万人あたりの産ロボ稼働台数の世界平均は113台、日本は3位/国際ロボット連盟
>>新会長にABBマリーナ・ビル氏、副会長にファナック山口賢治社長を選出/国際ロボット連盟
>>21年の世界の産ロボ新規導入は50万台、過去最高を記録/国際ロボット連盟
>>産ロボ新規導入実績、アジアが欧米を大きくリード/国際ロボット連盟
>>韓国のロボット密度、世界1位に/国際ロボット連盟
>>2024年のロボットトレンド、トップ5を発表/国際ロボット連盟
>>米企業、ロボットに積極投資/国際ロボット連盟
>>過去最多400万台超のロボットが世界で稼働/国際ロボット連盟
>>安川電機の小笠原浩会長がデミング賞本賞を受賞
>>ロボット密度は7年で2倍以上に! 国別ランキングを発表/国際ロボット連盟
>>ロボットの5大トレンドを発表/国際ロボット連盟
>>ロボット業界で活躍する10名の女性を選出/国際ロボット連盟
>>中国、ロボットとハイテクに1兆元の巨額投資へ/国際ロボット連盟
>>欧州自動車産業、ロボット導入が高水準維持/国際ロボット連盟
>>日本の自動車産業、ロボット導入が過去5年間で最多に/国際ロボット連盟
>>世界のロボット需要が10年で2倍に/国際ロボット連盟