[注目製品PickUp!vol.22]自作など新たなロボ需要狙う【前編】/オリエンタルモーター「αSTEP AZシリーズ」
新たなロボ需要に向け
市販のロボットに対しては、コストやスペースの面で導入のハードルが高いと感じる企業も多い。そのため、「ロボットの導入ハードルを下げるには、コストの低減がまずは大切」と営業企画部の加藤淑豪主任は話す。 「自作ロボットが作りやすいことなどを生かして、三品産業(食品、化粧品、医薬品)への拡販にも注力したい」(加藤主任)という。 AZシリーズは自動機全般に使いやすく、生産技術部門の要望に広く応えられる。自作ロボットをきっかけに良さを知ってもらえれば、他用途での採用も期待できる。つまり、マーケティング戦略として、生産技術部門が自作するロボット向けが重要なターゲットと言える。 「既製品のロボットではオーバースペックかつ高額となるため、自作ロボットの製作を考える生産技術者は多いと感じる。細かな動きが求められるロボットなら、αSTEPの特性を発揮できる。単機能でシンプルなロボットを製作したいとのニーズに対して、一元化したワンストップの提案をしていきたい。」と加藤主任は話す。
周辺機器まで豊富な提案
AZシリーズの大きな特徴の一つは、ロボットアームを動かす主動力部だけでなく、先端で物をつかむグリッパーなどにも使えることだ。 昨年12月の「2019国際ロボット展」でも、さまざまな寸法の小物部品をつかめるグリッパーを製作し、披露した。 また、グリッパーだけでなく、αSTEPを使った電動アクチュエーターなどの周辺機器まで提案できることは、オリエンタルモーターの強み。 豊富な提案は、ロボットを扱うシステムインテグレーターにとって大きな魅力だ。 後編では、オリエンタルモーターという企業の特徴から、今後重視する戦略を見通す。また、αSTEPの歴史にも触れ、ハイブリッド制御システムがいかに発展したかをたどる。
――後編へ続く (ロボットダイジェスト編集部 芳賀 崇)