自社イベントで協業やモーションシステムなどアピール/オリエンタルモーター
オリエンタルモーター(東京都台東区、川人英二社長)は12月11日・12日の2日間、都内の東京国際フォーラム展示ホールE1で自社イベント「MOTION MIRAI PARK(モーション・ミライ・パーク)」を開催し、3500人超が来場した。同社が掲げる「モーターメーカーからモーションシステムメーカーへ」を体現したイベントで、同社の製品だけでなく、他の機構部品メーカーとコラボレーションしたシステムや大学などと共同研究している技術、同社のモーターを使ったアート作品など幅広く展示した。
サーボモーターを刷新
同社は例年、プライベートショーとして「オリエンタルモーターフェア」を開いてきたが、「モーション・ミライ・パークはそれとは一線を画すイベント」と遠藤由香営業本部マーケティング統括部販促企画部長兼コーポレート管理統括部デザイン室長は話す。
モーション・ミライ・パークは「わが社が掲げる『モーターメーカーからモーションシステムメーカーへ』を体現するイベントで、お客さまだけでなく協業先やサプライヤー、学生、場合によっては競合企業などもお招きした。目先の販売促進ではなく、長い目で見てさまざまな方に『今後付き合っていくべきメーカー』と感じてもらうことを目標にした」(遠藤部長)。
会場内には「動きをつくるエリア」「動きを拡げるエリア」「動きを融合するエリア」「動きを創造するエリア」「コミュニケーションパーク」の5つのエリアを設けた。
「動きをつくるエリア」は同社の最新ソリューションを紹介するエリアで、サーボモーター「KXRシリーズ」を初披露した。同社はステッピングモーターやブラシレスモーターを主力とするメーカーで、従来からサーボモーターもラインアップはしていたものの、2007年以降は新機種を開発していなかった。そのため、サーボモーターを主力とするメーカーの最新機種には性能面で後れを取っていた。この状況を打破するために開発したのがKXRシリーズだ。サーボモーターメーカーの最新機種に引けを取らないスペックや機能を実現した。
ステッピングモーターとサーボモーターはどちらも正確な位置決めができるモーターだが、トルク(回転する力の大きさ)が出しやすい速域など、特性が異なる。KXRシリーズができたことで、同社製のモーターでそろえながらステッピングモーターとサーボモーターを適材適所で使い分けられる。
その他、同エリアでは同社のモーターを使った産業用ロボット「OVRシリーズ」のデモシステムなども展示した。垂直多関節タイプの間に薄型の水平多関節(スカラ)タイプを設置し、高密度配置を実現した。
コラボシステムや実際の工場設備など展示
「動きを融合するエリア」では、福島県にある同社の相馬事業所に設置する実際の設備を展示した。モジュール化した熱カシメ機や液体塗布機と小型自動倉庫、無人搬送車(AGV)などを連携させたシステムだ。ロボットはOVRシリーズで、小型自動倉庫やAGVには自社のモーターなどを活用した。
「動きを創造するエリア」では大学や他の企業と行っている共同研究など、最新の研究成果を紹介した。「製品への実装はまだ未定のものばかり。来場者にだけ特別に、他では公開していない技術をお見せした」(同エリア担当者)。
「コミュニケーションパーク」では同社のモーターを使った動くアート作品などを展示し、同社が協賛する「学生マイクロマウス競技会」のミニ競技会なども開催した。
(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)
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