[エディターズノートvol.14] 今はまだ小さくても
「『UVプリンター&ロボット』で推し活グッズの製造を自動化/エプソン販売」と、「印刷後の工程を自動化する「紙さばきロボットシステム」を開発/富士フイルムビジネスイノベーション」だ。
日本印刷産業連合会が公表する「印刷産業Annually Report(アニュアリーリポート)2025」によると、印刷産業の事業所数は1万3520件で全24製造業種中5番目。これは個人経営の事業所は含まない数だ。「製品出荷額等」や「付加価値額」は全盛期と比べれば大きく減少したが、ここ数年は右肩上がりが続く。一方、従業員数は回復しておらず、印刷産業の現場も人手不足は深刻だ。
今回のエディターズノートを書き始めた当初は「小さい市場でもしっかり開拓していかなければならない」といった主旨のことを書こうとしていた。しかし、印刷業界について調べてみると、これまでロボットがそれほど使われていなかっただけで、潜在ニーズは思いのほか大きそうだ。紙を扱う場合は技術的に難しい点もありそうだが、そこをクリアすれば広く水平展開も狙える。
産業用ロボットといえば自動車や電気機械、その他機械系の現場で使われるイメージが強い。近年はそれに加えて物流現場の自動化も増え、三品産業やラボ(研究室)業務の自動化提案も増えているが、他にもまだまだアプローチが届いていない潜在市場が膨大にありそうだ。
日本の産業分類の一覧を見てみると、現在ロボットが主な対象としている産業がほんの一部でしかないことがよく分かる。ロボットの技術は日進月歩で進化しており、一昔前は自動化が難しくても、今の技術なら自動化できる分野もおそらく少なくないだろう。
ロボット化に適した工程はなさそうか、それを考えながら、産業分類の一覧を一度確認してみてはいかがだろうか。
(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)
※「エディターズノート」はロボットダイジェストの編集後記として毎月月末に掲載しています。
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