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2022.07.29

1t可搬タイプ登場、物流支援ロボットのラインナップ拡充/ZMP

ZMP(東京都文京区、谷口恒社長)は7月20日~22日、自社の新製品や新サービスを発表するイベント「ZMP world(ワールド)2022」を開催した。自動運転ソリューションや人工知能プラットフォームなどさまざまな分野の製品を紹介する中で、最終日の7月22日には物流支援ロボット「CarriRo(キャリロ)」のラインアップ拡充を発表した。1t可搬タイプや、オプションなどを組み合わせ自在にカスタマイズできるタイプなどを追加した。

重量物搬送でフォークリフトと連携

 ZMPは7月22日、都内にある「キャリロ・イノベーション・センター枝川」で、キャリロの新製品を発表した。
 同社は2016年に発売したビーコン(発信機)追従タイプの無人搬送車(AGV)を皮切りに、自律走行タイプや、自律走行タイプの高可搬モデル、無人フォークリフト、自動けん引トラクターなど、キャリロシリーズのラインアップ拡充を図ってきた。今回さらに、複数の新製品をシリーズに追加した。

1t可搬タイプのキャリロAD+1T

 新製品の一つが、1t可搬タイプのAGV「キャリロAD+1T」だ。機械部品や飲料箱などの重量物を積んだパレット(荷役台)の搬送に適する。
 「自律走行するAGVと無人フォークリフトを組み合わせれば、入出庫作業の完全自動化も実現できる。無人フォークリフトの最大可搬質量は1.4tだが、AGVはこれまで高可搬タイプでも600kgまでしか対応できず、より可搬質量の大きい製品が求められていた」と龍健太郎ロボセールス&ソリューション事業部長は開発の背景を語る。
 月額リース価格は8万2500円からで、12月末に出荷を開始する。

必要な機能だけ選べる

オプションなどを自由に選べるキャリロベーシック(写真はけん引オプション搭載タイプ)

 同じくAGVタイプの新製品として、「キャリロBasic(ベーシック)」も発表した。これは、必要な機能やオプションをユーザーが選べる製品だ。取り付け穴が開いているためAGV上面に自作の棚や箱を取り付けるなどのカスタマイズもしやすく、外部機器を制御するためのインターフェースも備える。
 「これまでキャリロは高機能化を図ってきたが、カスタマイズしやすく、必要な機能だけを備える低価格の製品が欲しいとの声もあった。そのニーズを形にした商品」とロボセールス&ソリューション事業部マネージャーのコウ・シュウエン氏は言う。
 月額リース価格は3万7000円から。

 その他、キャリロシリーズとして5tまでけん引できるトラクターも新たにラインアップした。従来の2.5t可搬タイプの後継機だ。
 当日は、キャリロシリーズの各製品を連携させた動作デモも披露した。デモの様子はオンラインでも配信され、多くの視聴者の注目を集めた。

 「キャリロは既に300社以上に導入実績がある製品。クラウドサービス『ROBO-HI(ロボハイ)』を使えば複数台連携も容易で、導入後のサポート体制も充実しているので、ぜひキャリロによる自動化をご検討いただければ」と龍事業部長は語る。

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)

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