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2020.07.08

AGVや無人フォークのショールームを都内に/ZMP

自動車の自動運転技術や、その技術を応用した物流用ロボットを開発、販売するZMP(東京都文京区、谷口恒社長)が都内に、無人搬送車(AGV)や無人フォークリフトのショールームを開設した。独自の誘導方式をアピールし、AGVとフォークリフトの連携も披露する。

ウェブで約400人に披露

ウェブ視聴者向けにキャリロの機能を説明する笠置泰孝事業部長

 ZMPは7月1日、東京都江東区のJR潮見駅から徒歩8分の物流倉庫内にショールーム「CarriRo(キャリロ)イノベーションセンター」を開設した。
 センターの広さは広さは約150㎡で、キャリロのブランドで製造、販売する台車型AGV、荷役台(パレット)運搬用AGVなどを常設展示する。

 7月1日から3日にかけてウェブ説明会を開き、ショールームからの中継でキャリロの各製品を紹介。3日間合計で約400人が視聴した。

走行や連携のデモが可能

床面のランドマーク読み取りながら走行するパレット搬送用AGV

 従来のAGVは、床面に敷設した磁気テープ上をたどるタイプが一般的。近年は周囲をマッピングし、自らの位置を推計して自律的に動くSLAM(スラム)誘導式の製品も増えた。
 キャリロはどちらでもないランドマーク方式を採用する。QRコードや各種記号が印刷されたシール(ランドマーク)を10m間隔で床面に張り、キャリロ底面のカメラでその情報を読み取りながら自律的に走行する。
 「磁気テープ式、スラム式のいいとこ取りをしたような方式。スラム式よりも安く設定の変更も簡単だが、障害物を避けて通るなど高度な自律走行が可能」と笠置泰孝キャリロ事業部長は語る。

キャリロフォークとキャリロAD+の連携

 ショールームの床に実際にランドマークを張り、床からデータを読み取りながら走行するデモを披露。複数のキャリロをリアルタイムで一括管理、制御するシステム「Robo-HI(ロボハイ)」の機能もアピールした。
 今年発売した無人フォークリフト「キャリロフォーク」も展示。パレット運搬用AGV「キャリロAD+(プラス)」との連携作業も可能だ。

 8月にはこのショールームを使い、製品を一堂に集めた「ZMPワールド2020」も開催する。ZMPワールドでは、工場の建屋間搬送に最適な2500kg可搬の「キャリロトラクター」を初披露する。

 「新型コロナウイルス禍で引き合いが従来の3倍に増えるなど、自動化のニーズの高い。このショールームやZMPワールドを通し、ぜひとも多くの人にキャリロの利便性を知ってもらえれば」と笠置事業部長は言う。

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)

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