[特集 2023国際ロボット展vol.6]協働ロボットでも高速、高精度を/不二越 越野敦 部長
複雑な作業を簡単に自動化
不二越 ロボット事業部開発部
越野 敦 部長
今後は協働ロボットの導入がより一層進むとみています。産業用ロボットや自動化機器で生産ラインの自動化が進んでいますが、一部で人手作業の工程も残っています。これらは組み立てや検査など複雑な作業が多く、自動化が難しいためです。
そうした自動化し切れていない工程で、設備のレイアウトなどをできるだけ変更せず自動化するために、安全柵の要らない協働ロボットが適しています。
「難しい作業を簡単に自動化したい」とのニーズに応えるには、カメラやAIの活用が必須です。わが社はカメラで撮像した画像を基にロボットの動作を細かく制御する技術にたけており、今後はそこにAIを組み合わせていきます。
また自動化のハードルを下げるために、ティーチングペンダントをスマートフォン感覚で操作できるようにしました。プログラミングなどの知識がなくてもロボットの動作を設定でき、初めてロボットを導入するユーザーでも安心して使えます。
市況としてはEV向けの設備投資が非常に活発で、大型のロボットの受注が増えています。特にFSWの自動化は注目度が高く、問い合わせも多くあります。また足元では、中国の景気停滞もあり電気・電子分野がやや勢いに欠けますが、長期的に見て重要性が増すのは間違いありません。
こうした成長産業で多様な活用シーンに応えられるように、ロボットのラインアップを広げています。可搬質量やアームのリーチに幅を持たせるだけでなく、特殊な構造を採用した機種も開発しました。その際に部品の共通化を意識することで、生産コストを低減できます。共通した設計のコンセプトがあるので、使用感も大きく変わりません。
人手不足もますます深刻化していくので、ロボットの普及が進むよう使いやすさを重視して開発に取り組んでいきます。
※本特集は「月刊生産財マーケティング」とのコラボレーション企画であり、同誌12月号(11月27日発刊)でもこの記事をお読みいただけます。
vol.1 ロボットはインフラに
vol.2 ロボットがより身近に/橋本康彦 運営委員長
vol.3 技術は「使いやすさ」のために/ファナック 稲葉清典 専務
vol.4 今ロボットに何ができるか/安川電機 岡久学 ロボット事業部長
vol.5 ソリューション提案に注力/三菱電機 武原純二 主管技師長
vol.6 協働ロボットでも高速、高精度を/不二越 越野敦 部長
vol.7 トレンドは「ソリューション提案」/ロボットメーカー
vol.8 自慢のパッケージ製品を披露/マシンテンディング
vol.9 周辺機器は使いやすく、安全に/ロボット周辺機器
vol.10 多彩なソリューションを提案/併催ゾーン
vol.11 iREXインフォメーション