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2024.06.11

パートナーシップを締結し、協働パレタイズシステム開発/オークラ輸送機、ユニバーサルロボット

オークラ輸送機(兵庫県加古川市、大庫良一社長)とユニバーサルロボット(UR)の日本支社(東京都港区、山根剛代表)は6月4日、パートナーシップ契約を締結したと発表した。URの協働ロボットを組み込んだパレタイズシステム「EasyPAL(イージーパル)」をオークラ輸送機が開発し、同日から都内で開かれた展示会「FOOMA JAPAN(フーマジャパン)2024」で披露した。「URのロボットは信頼性が高く、わが社の強みであるティーチングソフトウエアの技術も生かせる。三品産業(食品・化粧品・医薬品)などさまざまな業界にイージーパルを提案していきたい」とオークラ輸送機の小野山達夫常務は語る。

マテハン×協働ロボットで強力タッグ

オークラ輸送機が開発した「イージーパル」

 大手マテリアルハンドリング(マテハン)機器メーカーのオークラ輸送機と、デンマークに本社を置く協働ロボット大手のURの日本支社はパートナーシップ契約を締結した。URの20kg可搬の協働ロボットを組み込み、パレット(荷役台)に段ボール箱などの荷物を積み付けるパレタイジングシステム「イージーパル」を開発した。軽量の箱なら1時間当たり300個~480個を処理できる。

 オークラ輸送機は、重量物を高速で積み付けられる100kg~350kg可搬のパレタイズ用ロボットには強みを持つが、飲料ケースなど比較的軽量なケースに適したロボットは自社製品として持っていなかった。そこで、20kgや30kg可搬の協働ロボットをそろえるURとパートナーシップを締結し、ラインアップを補完する。

UR日本支社の山根剛代表(左)とオークラ輸送機の小野山達夫常務

 「近年、安全柵なしで設置できる省スペースな協働ロボットでパレタイズシステムを構築したいとのニーズが増えていた」と小野山常務は言う。オークラの米国法人では以前URの10kg可搬の協働ロボットを組み込んだシステムを開発した実績があり、URの信頼性の高さは知っていたという。「もう少し可搬質量が高ければ……」と思っていた所、2022年にURから20kg可搬の「UR20」が発表され、「これならばパレタイズシステムに使用できる」と判断し、今回のパートナーシップにつながった。

ソフトの強みを生かせる

FOOMA JAPAN2024の会場で披露したイージーパルのデモ

 今回のパートナーシップはUR側にもメリットが多い。
 URの協働ロボットは使いやすさに配慮しているものの、食品などの三品産業は生産技術部門を持たない企業が多く、自社内でのシステム構築や運用・保守が難しいケースも少なくない。協働ロボットを使ったパレタイズシステムへの関心は高いものの、導入に二の足を踏むユーザーも多かった。
 その点、イージーパルなら、オークラ輸送機がコンベヤーなどの周辺機器と組み合わせてシステムを構築し、その後のサポートなども行うため、ユーザーが安心して導入できる。

使いやすいティーチングソフトが強みの一つ

 イージーパルの大きな強みの一つは、パレタイズ用のオフライン・ティーチング・ソフト「OXPA(オクスパ)-Qm」だ。ロボットの専門知識がなくても、積み付けパターンを選択し、箱のサイズやラベル位置、重心位置などを入力すれば動作プログラムを作成できる。顧客からの評価が高いこのソフトをベースに、URの協働ロボット対応の「OXPA-QmC」を開発した。動作プログラムの作成にかかる時間は約1分で、シミュレーター上で動作や処理能力の確認も可能だ。

 「URはパートナーに対して技術的な仕様をオープンにしてくれるので、『OXPA』などわが社の強みを生かしたシステムを開発できた。FOOMA JAPANで発表したところ『すぐに欲しい』との顧客もおり、確かな手ごたえを感じている」と小野山常務は話す。

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)

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