[活躍するロボジョvol.23]品質評価で性能向上に貢献する/川崎重工業 近藤千恵さん
高専で機械制御に出会う
近藤さんは学生時代から計算など数字を使った学習が好きで、より実践的に学べる場を求めて地元である徳島県の阿南工業高等専門学校(高専)に入学した。そこで玉入れロボットなどのロボット制作を通じて機械制御の基礎を学び、制御技術に興味を持った。その中でもロボットの開発に携わりたいとの気持ちが高じて、徳島大学工学部電気電子工学科に編入した。 「ものづくりは元々好きでしたが、制御技術を学ぶことで作ったものを思い通りに動かすことの楽しさに気付けました」と話す。大学卒業後は徳島大学大学院に進学し、電気電子創生工学コースでロボットの制御技術などについて研究した。 川崎重工業に入社後、近藤さんはロボットの設計部門に配属され、モーターを制御するためのインバーター回路の設計を担当した。「インバーター回路では高い電圧を扱うため、ロボットを初めて動かす時は怖さもありました」と振り返る。近藤さんは複数のコントローラーの設計を担当し、「F-0xコントローラー」の設計を最後に、品質評価部門へ移った。
技術開発と品質評価を両立させる
近藤さんには2歳の子供がおり、普段は仕事と育児の両立で忙しい日々を送っている。「毎週金曜日は帰宅後に家事をすぐに終わらせて、散歩も兼ねて銭湯に行くのが楽しみ。お風呂上がりに飲むビールは格別ですね」とほほ笑む。 時短勤務の制度で保育園に子供を迎えに行きやすくなるなど、仕事と育児の両立ができるような制度が整えられている。 技術評価部に所属する近藤さんは、品質評価の他に新分野の要素開発にも取り組んでおり、製品や技術に関する知識を深めている。「私が設計を担当していた時に『もう少しこうすれば製品の性能を高められただろうな』と感じた部分を、新たに得た知識で補える日が来るかもしれない。それに加えて、品質評価であぶり出した課題点も製品開発に生かせると思う」と意欲を語る。
(ロボットダイジェスト編集部 斉藤拓哉)