• インタビュー
2020.01.20
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実績を重ね、普及拡大のフェーズに入った【後編】/MUJIN滝野一征CEO

製品テストにも対応する新本社

――昨年には本社も東京都江東区に移転しました。  企業規模が急拡大しているため、2012年に東京都文京区に事務所を構えてから、14年、15年、17年、19年と移転を繰り返しています。大きな事務所に移ると「これでしばらくは大丈夫」と思うのですが、2年もしないうちにまた手狭になってしまいます。一昨年の初めは社員数40人ほどでしたが、今は100人を超え、さらに増え続けています。新しい本社にはシステムを組むスペースの他、デモ機を置いた部屋もあり、製品のテストなどができます。

「顧客が求めるのは技術そのものではない」と滝野一征CEO

――最近はMUJIN以外にもモーションプランニング技術に取り組む会社が出てきました。  これについては、緊張感は持ちつつも心配はしていません。モーションプランニングは技術の核ではありますが、顧客はその技術が欲しいわけではありません。さまざまな知見が組み込まれた、要望を満たせるシステムが欲しいのです。生産性や、外乱要因に左右されない安定性、使いやすさ、安全性、データなどのセキュリティー、メンテナンス性などが一体となって価値が生まれます。価値の源泉の95%はモーションプランニング以外の技術やノウハウと言っても過言ではありません。ロボットシステムの導入費用全体に占めるロボット本体の価格がほんの一部であるのと同じことです。他社が「半導体チップとしてモーションプランニング技術を持っている」という段階なら、それがロボットシステムのアプリケーション(応用的な使い方)として完成するのはまだまだ先だと思います。 ――よく分かりました。ありがとうございました。

――終わり (聞き手・構成 ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)

滝野一征(たきの・いっせい) 米国の大学を卒業後、イスカルジャパンを経て11年にカーネギーメロン大学の研究者だった出杏光魯仙(デアンコウ・ロセン)博士と共にMUJINを創業。大阪府出身の35歳。 関連記事:実績を重ね、普及拡大のフェーズに入った【前編】/MUJIN滝野一征CEO

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