2025.07.04
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産業用ヒューマノイド「AEON」を発表/ヘキサゴン

LIVEで初披露

 スウェーデンの計測技術大手ヘキサゴンは6月17日、産業向けヒューマノイドロボット「AEON(イーオン)」を発表した。同社の年次イベント「Hexagon LIVE Global(ヘキサゴン・ライブ・グローバル)」で初公開され、同社が新設したロボティクス部門の初製品となる。

 AEONは、ヘキサゴンの計測技術や人工知能(AI)、自律制御システムの知見を結集して開発されたヒューマノイド。AIによるミッション制御や空間認識機能を備え、現場での作業支援や資産点検、デジタルツインの構築などに対応する高い汎用性と自律性を特徴とし、自動車や製造、物流など多分野での活用を想定する。

現場仕様の機能を多数搭載

 機能面では、計測技術由来の高精度な動作、脚移動による機動性、複数センサーを活用した空間認識機能を備え、作業に応じた行動の最適化を可能にした。また、バッテリー交換式の電源機構を採用し、充電のための停止を不要にした。

 ロボティクス部門プレジデントのアルノー・ロベール氏は、「AEONで“フィジカルAI”の可能性を産業課題に応用する。今後6カ月間で試験導入を進め、商用展開に移行する」と述べた。

シャフラーとピラタスが試験導入、エヌビディアも開発支援

 初期パートナーには、ドイツの自動車部品大手シャフラーと、スイスの航空機メーカーのピラタスが参画。工場内でのマシンテンディング(機械の操作補助)や部品検査、リアリティキャプチャー(現場のデジタル化)などでAEONを試験導入する。

 開発にはNVIDIA(エヌビディア)、マイクロソフト、maxon(マクソン)などが協力した。エヌビディアの加速コンピューティングやメタバースプラットフォーム「Omniverse(オムニバース)」、AI向け小型コンピューティングボード「Jetson(ジェットソン)」でAIの処理能力を強化し、マイクロソフトのクラウド「Azure(アジュール)」で柔軟で信頼性の高い開発環境を構築した。駆動系にはマクソンの次世代アクチュエーターを採用した。

 ヘキサゴンのオーラ・ローレン会長は「AEONは産業向けに特化して設計された最新のヒューマノイド。労働力不足が進む中、持続可能な成長の一助となる」と語った。

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