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2018.11.09
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製造業の集積地で、協働ロボや新規参入に人だかり

ロボット産業への新規参入企業も出展

鍋屋バイテックが協働ロボットと組み合わせて電動グリッパー

 工作機械で使う継ぎ手などのユニットや機器を製造販売する鍋屋バイテック(岐阜県関市、岡本友二郎社長)は、2002年に業務提携したドイツの会社ジマーの電動グリッパー「HRCシリーズ」を協働ロボットに取り付けて披露した。  爪のセルフロック機構で、緊急停止した時や、停電した時でも持っている物を落とさない。グリッパーの周りに取り付けられたLEDで状態が簡単に分かるなど、使いやすさや安全性をアピールした。  ロボットとは無縁だった会社が、自社が持つ技術を転用することで、ロボット業界に参入する動きも見られた。  シリンダーやサーボモーターなどを製造販売するダイアディックシステムズ(金沢市、鶴海正隆社長)は、スカラ型協働ロボット「DSR02-400」を開発し、7月から営業を始めた。  ボディーはピンクと白を基調にし、丸みを帯びた形状にした。工場で働く女性の作業者にも受け入れられやすいデザインにするためだ。コンパクトな設計で、必要な所に運びやすくし、電源に接続するだけで使用できるようにした。独自のサーボ制御システムをコントローラーに応用したことで、誰でも簡単に使いこなせる。  電源を入れて、ロボットのアームを持って動作を覚えさせ、タブレットで動作確認と微調整をして完了。先端には真空パッドやグリッパー、電動ドライバーを用意しており、吸盤のような真空吸着による積み替えや、小さな材料の搬入出、ねじ締め作業などを想定する。

日常になる日がすぐそこまで

人間用手袋のノウハウをロボットの手に応用した東和コーポレーション

 家庭や工場で使うゴム手袋を作る東和コーポレーション(福岡県久留米市、渡辺聡社長)は、ゴム手袋を作る技術で、ロボットハンド用の特殊すべり止めグローブを出展した。  創業70年以上の手袋製造で培った技術をロボットに転用し、ロボットハンドでも油や水で濡れた物でもしっかりとつかむことができる。  独自に開発した特殊なすべり止め加工で、微細なくぼみを付けた吸盤効果でグリップ力を高めた。  また、用途に応じてグローブ素材を自由に選べるほか、CADデータからでも作成できるなど、カスタムオーダーにも対応する。  「手袋の製造ノウハウを転用できると思いロボット分野に挑戦した。調べた限りロボットハンド用の手袋はないことが分かり、展示会に出展して来場者の反応を見たい」と担当者は意気込む。  会場には、他にもまだまだたくさんのロボットが動き、作業を実演して性能をPRした。こうしたロボットが工場や作業スペース、もしくはオフィスなどにいて一緒に働く。あるいは手伝いながら共同で作業することが特別な事ではなく、日常の風景になる日が、すぐそこまで来ていると実感した。

――終わり (ロボットダイジェスト編集部)

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